残り5分半、13点ビハインドをひっくり返しての勝利
1月25日、琉球ゴールデンキングスはアウェーで千葉ジェッツと対戦。終盤に驚異的な粘り強さを発揮し、残り5分半での13点ビハインドをひっくり返し、65-63の劇的勝利を挙げた。これで琉球は難敵の千葉J相手に、敵地で大きな弾みのつく同一カード連勝を達成した。
琉球は出だしから千葉Jの力強いアタックへの対処に苦戦すると、ゴール下でのシュートを決め切れず、ペイント内の攻防で劣勢を強いられたことでリードを許して前半を終えた。後半に入るとヴィック・ローの連続得点で盛り返すが、ここでも千葉Jのペイントアタックを止め切れずにファウルを重ね、このクォーターだけで10本のフリースローを与える。そして自分たちはフリースローを5本連続で外すなど、反撃のきっかけをつかめなかった。
このように千葉Jのペースで試合は進み、第4クォーター残り5分半の時点で48-61と劣勢は変わらない。しかし、ここから岸本隆一の3ポイントシュート、ジャック・クーリーのオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスと得意のパターンで得点を重ねると、ディフェンスリバウンドを死守することで猛追。そして最後は、24得点を挙げたローによる残り1分からの連続得点で大逆転勝利を収めた。
この逆転劇をもたらした大きな分岐点は、最後にクーリー、アレックス・カークを同時起用したこと。これで千葉Jのペイントアタックを抑えたが、高さを得た引き換えに機動力を失った。それでも、千葉Jの第4クォーターの3ポイントシュート成功率は9.1%(11本中1本成功)と、外から何本もオープンシュートを打たれたがことごとく外れる運にも恵まれた。
琉球の桶谷大ヘッドコーチは、最後のツインタワー起用をこう振り返る。「昨日から(スピードのミスマッチを防ぐためディー・ジェイ)ホグ選手に対し、ジャックとアレックスを基本的にマークにつけないようにしていました。ただ、第4クォーターにホグ選手が下がったことで2人を一緒に使えたことで流れが良くなりました。それでホグ選手が戻ってきた時も、オフェンスの流れが良かったのでリスクを負って継続しました」
「オープンシュートを千葉さんに結構打たれてしまいましたが、その中でも富樫(勇樹)君ではなく、他の選手に打たそうというチームルールは守れていました。そして、2ビッグによって、オフェンスリバウンドをジャックが取って繋げることができました。もちろん、最後に(ナシール)リトル選手だったり、渡邊(雄太)選手、ホグ選手のシュートが1本でも入ったら、僕らは負けていました。そこで入らなかったのは、今日自分たちに風が吹いていたと思います」

「こういう勝ち方をするのがキングスだと思っています」
持ち前の勝負強さで勝利に大きく貢献した岸本隆一は、「39分間くらいまですごく追い詰められているような状況から、最後の最後にひっくり返すことができました。自分たちにとってすごく自信になる試合になったと思います」と総括する。
試合終了のブザーが鳴った直後、琉球の選手たちは各選手が喜びを爆発させていた。岸本はこの歓喜の輪に加わる前、まずは両手をあわせて拝むようなポーズで、静かに喜びに浸っていた。この理由を聞くと、「なんか『ありがとう』という思いになっていました」と振り返る。
「劣勢に立たされている中で我慢強くやり続けて、最後に流れを持っていく展開で勝ち切れました。いろいろなことに対してすごくうれしいですけど、それとともにこの勝利でチームがより一つになれる。自信を持てるきっかけになる。この気持ちになれたことに対して、すごく感謝の気持ちが生まれました」
感謝の先にあるのは、バスケットボールの神様ですか、というこちらの問いに「ちょっと、それは青臭いですね(笑)」と笑顔を見せた後、あらためてこの1勝への思いを語る。「本当にこういう瞬間のためにやっていますし、こういう勝ち方をするのがキングスだと思っています。こういう試合をずっと待っていました。うまく言えないですけど、何かに対して『本当にありがとう』という気持ちに純粋になりました」
千葉Jのアウトサイドシュートが大きく下振れしたことに助けられた面も少なくない。だが、シーズン前半戦は第4クォーターに2桁のビハインドを負ったところで我慢し切れずにいたが、今日は踏ん張れたという確かな違いがあった。また、岸本が「詳しいことは言えないですけど、しっかりと共通認識を持って明確な狙いどころを突けたことが、良いチームバスケットに繋がったと思います」と語ったように、プレーの質も向上している。
この勝利は、我慢比べで相手が根負けするまで泥臭く戦い続ける。そんな琉球らしさを取り戻す大きなきっかけになるかもしれない。
