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マイク・ブラウン、若手時代のカイリーを指導した過去

健康面の問題によりチームの指揮を執れないスティーブ・カーに代わり、ウォリアーズの代行ヘッドコーチを務めているマイク・ブラウンは、かつてキャバリアーズを2度に渡り率いている。

1度目はレブロン・ジェームズがヒートに移籍する前の2005年から10年まで、2度目は2013-14シーズン。2度目の時期にチームの中心選手だったのが、2011年のドラフト全体1位指名選手のカイリー・アービングだった。

ルーキー時代からボールハンドリングスキルと得点能力備えていたアービングについて、ブラウンが「止められない相手」と語ったことを『The Undefeated』が伝えている。

ブラウンは2013-14シーズンを振り返り、「カイリーは若かったが、当時から非常に才能に恵まれた選手だった。近い将来、NBAで成功するためのコツをつかむだろうと思っていた」と語る。「その通りになって、彼は止められない選手になった。リーグ内の誰よりも技術に秀でている。彼ほどのスピードがあり、しかもあらゆる形で得点を決められるのだから驚きだ。今年のオールNBAチームに選出されるべきだった選手だと思う」と続けた。

惜しくもオールNBAチームから落選したアービングだが、NBAファイナルでキャブズと対戦するウォリアーズにとっては、レブロンと同じくらい警戒が必要な選手だ。昨年のファイナル第7戦の第4クォーター終盤、決勝点となる3ポイントシュートを成功させたのは、レブロンではなくアービングだ。

レブロン以上にウォリアーズにとっては脅威の存在に

3年連続3度目の対戦となる今回のシリーズ、ディフェンスに定評のあるクレイ・トンプソン、あるいはショーン・リビングストンがアービングとマッチアップするだろうが、切れ味鋭いドライブ、成功率の高いジャンプシュート、土壇場で3ポイントシュートを決められる勝負強さを兼ね揃えたアービングを抑えるのは骨が折れる仕事だ。

今シーズンのクリスマスゲームでアービングは、昨シーズンのファイナルでの『悪夢』を再現している。107-108で迎えた第4クォーター残り3.4秒、アービングはトンプソンとの1対1から決勝ジャンプシュートを決め、チームに勝利をもたらした。

トンプソンのチェックが緩かったわけではない。厳しいディフェンス越しにシュートを決めたアービングの勝負強さは本物だ。ウォリアーズにとっては、レブロンよりアービングに対する苦手意識の方が強いのではないだろうか。そのアービングをどう止めるか、その駆け引きにも注目したい。