「だからこそトロントは僕にとって特別な場所なんだ」
カイル・ラウリーはキャリア20年目の大ベテランで、今年3月に40歳を迎える。残念ながらセブンティシクサーズではコート上での役割が縮小し、ニック・ナースのチーム作りのサポート役に回っている。
それでもトロントに戻れば、彼は今も『生ける伝説』だ。今シーズンようやく6試合目、勝敗が決したラスト2分での出場ではあったが、トロントのファンはその前から彼の名前をコールしており、彼が投入されるとスタンディングオベーションで迎え入れた。
「まずはチームに感謝したい。普段とは違う気合いが入っていて、それは僕にこの機会をプレゼントするためだったように思う。素晴らしいチームメート、この瞬間の意味を分かってくれるコーチのおかげだ。チームにとって良い勝利だったのはもちろん、僕個人としてもキャリア最高の瞬間の一つになった」とラウリーは言う。
「ファンの声援はもちろん最高だった。僕にとって世界最高のファンだといつも言っている理由がそこにあったよ。ここのファンは僕のキャリアをずっと支えてくれた。僕が成し遂げたことの大部分は、彼らの目の前で起きた。だからこそトロントは僕にとって特別な場所なんだ」
2006年にNBAでデビューした彼は、2012年にラプターズに加わった。「当時のファンはまだ僕が何者かを分かっていなかったし、僕自身もどういうプレーヤーになるのかを模索していた。でも、ここで長くプレーする覚悟を決めると、ファンも全力で応援してくれるようになった。僕とデマー(デローザン)がここに何か特別なものを築こうとしたことで、人々は『こいつらは俺たちの仲間だ』と認めてくれたんだと思う」
ラウリーの現役引退が近いのは明らかで、トロントのメディアは引退後に何をするのかを知りたがった。今の彼はローテーションから外れているが、『半分選手、半分コーチ』のような役割を担っている。トロントのファンが望むのは、彼が指導者となって戻って来ることだろう。しかし彼は「コーチ業はやらない。これは間違いないことだ」と言う。
「コーチになったら僕みたいな選手を相手にしなきゃならない。大変なのは間違いないからやめておくよ(笑)。コーチは本当に大変な仕事で、膨大な時間を費やす。その上で僕みたいなタイプの選手がいると思うと、勘弁してくれと思う。引退したら子供たちのコーチをしたいと考えているんだ」
もっとも、彼に指導者の資質を見いだすのは間違っていない。タイリース・マクシーやVJ・エッジコムはラウリーから多くを学んでいる。ラウリーが投入された時、観客はすでに大盛り上がりだったが、マクシーはそれをさらに煽った。シクサーズの若手がラウリーに心酔しているのは間違いない。
「僕は負けず嫌いだから、人を教えるより自分がプレーしたいという気持ちはある。でも、自分の役割は理解しているつもりだ」とラウリーは言う。「このチームには優れた若手が多い。自分が若い頃に受け取った情報を残さず彼らに伝えたいと思っている。シーズン中は良い時期も悪い時期もあるけど、それを抜きにして彼らの成長を間近で見られるのは楽しいよ」
