
三輪が奮闘、ファウルトラブルもチームで乗り切る
ウインターカップ準決勝、大阪薫英女学院は京都精華学園に終始リードする展開で80-71と完勝を収め、ファイナル進出を決めた。
薫英は三輪美良々が相手の留学生、ンガルラ・ムクナ・リヤを粘り強くマーク。高さはあるがまだ2年生でスキルはそれほどでもないリヤに良いポジションを取らせずに抑え込み、攻めに回ればハイポストで起点となり、リヤを外に引っ張り出してから中と外のバランスの良い攻めを展開。立ち上がりこそ競ったが、三輪の攻守に渡る活躍により、次第に薫英の優位が目立っていった。
第2クォーター開始2分、8-0のランで薫英が28-18とリードを2桁に広げたところで、キーマンの三輪が個人ファウル2つでベンチに下がることに。京都精華学園にとっては巻き返しの大チャンスだったが、薫英は1年生ビッグマンの今井優蕾が三輪の仕事を引き継いで粘り強いディフェンスを見せ、2年生コンビの松本璃音と原乙羽など周囲の選手がステップアップすることで、三輪不在で苦しいはずの時間帯に逆に京都精華を突き放す。49-31とリードを広げて前半を終えた。
それでも第3クォーターは京都精華学園に流れが傾く。前半よりも運動量が上がり、薫英のシュートにプレッシャーを掛けて落とさせては、トランジションで良い形を作れるように。攻めの形ができれば188cmのリヤ、195cmの控えの留学生オディア・カウェル・リッツの高さが生きて点差を詰めていく。ただ、ここでも薫英は三輪をベンチに座らせ、第4クォーターに備えた。
65-55と薫英10点リードで迎えた最終クォーター、京都精華学園の追い上げの勢いを、コートに戻った三輪が断ち切る。小柄な幡出麗実がリヤをバンプしてコースを作り、そこをアタックした三輪がバスケット・カウントをもぎ取り、速攻からスピンムーブでのゴール下も沈めて連続得点。京都精華学園も挽回を図るが、焦る気持ちがイージーなターンオーバーに繋がるなど、第3クォーターの勢いはもう失われていた。
残り1分を切って、松本璃音がショットクロックのないところでロングシュートを放ち、これが外れるもオフェンスリバウンドに飛び込んでイージーレイアップに持ち込む。最後まで攻守にアグレッシブな姿勢を保った薫英が、最終スコア80-71で勝利した。
薫英はリバウンドで40-52と苦しむも、試合を通してターンオーバーはわずか6。京都精華学園のターンオーバーは20あり、隙のないディフェンスで高さの不利を補ったと言える。2018年以来のウインターカップ決勝では、桜花学園と対戦する。