白谷「最後に試合を決めるのはエースの本田に任せる」
福岡大学附属大濠はウインターカップ準々決勝で開志国際と対戦し、延長にもつれる激闘を77-75で制してメインコート行きを決めた。
前半を終えた時点で45-28と大量リードに成功した大濠だったが、第3クォーターに16-29と猛追された。片峯聡太コーチは第3クォーターの失速について、自身の責任と振り返った。「今日のゲームに関しては自分がもう一歩、開志の息の根を止めることをやっておけばよかったというのが正直あります。前からもう一回ガッとやるとか、息の根が止まらない状態で自分たちの歯車が狂った時に、向こうが勢いを増してしまったので。そうさせたのは僕の読みの甘さで反省です。明日はこういうことのないようにするからと選手に言おうと思っています」
片峯コーチが言うように大濠は開志国際の勢いを止められず、残り11秒で同点に追いつかれ、延長に持ち込まれた。それでも、勝ち切れたのは本田蕗以が最後までアタックし続けたからだ。本田は24得点を記録。オーバータイムのスコアは5-3だが、そのすべてを本田が挙げた。片峯コーチは本田で行くことを決めていたという。「クラッチタイムで誰が何をやるかというところで、しっかり整理ができてオーバータイムを戦えたと思います。本田がよく決めてくれました」
コーチの期待に応えた本田は安堵の表情を浮かべて試合を振り返った。「前半は良い流れだったんですけど、後半に追い上げられました。ミスも続いたり苦しい時間帯もあったんですけど、しっかり自分たちで耐えて、勝ちきることができてよかったです」
結果的に本田と白谷柱誠ジャックの2人で57得点を奪った。本田を上回る33得点を挙げた白谷だが、「自分が波に乗っている時は絶対に自分で行こうと思っていますが、最後に試合を決めるのはエースの本田に任せる」と言いきる。本田も「この状況は自分がやるしかない、自分が決めてやろうと思ってオーバータイムに臨みました」と、エースの覚悟が大濠に勝利をもたらした。
名門のエースを張る本田だが、2年生であることを良い意味でとらえ、すべてを背負い込まずにプレーできていると言う。「プレッシャーも少しあるかもしれないですが、自分は下級生なので、思い切りよくやることがチームに勢いをもたらすと思っています」
そして、本田はあらためて「接戦を勝ち抜くことができたのは、これからのトーナメントを勝ち抜いていくところで大きな自信になりました」と語った。明日の準々決勝の相手は、こちらも延長の末に京都精華学園を破った土浦日本大学。エースの真価が再び問われる。
