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カリーとデュラントが得点を重ね、付け入る隙を与えず

ウォリアーズとスパーズの西カンファレンスファイナル第4戦。0勝3敗で後がないスパーズは大ベテランのマヌ・ジノビリを先発起用する驚きの采配。そのジノビリがラマーカス・オルドリッジとのコンビネーションからウォリアーズ守備陣を突破、スクープショットを決めてスパーズが先制した。

だが、スパーズがリードしたのは最初の数分のみ。立ち上がりはシュートタッチが相当悪かったウォリアーズだが、すぐにアジャストし、ステファン・カリーとケビン・デュラントが得点を重ねる。守備ではオルドリッジのポストプレーをフィジカルなディフェンスで潰し、起点を作らせなかった。

ウォリアーズは一度手にした主導権を失わず、65-51とリードを保って前半を終える。この時点でカリーとデュラントはともに18得点。カットインからの合わせでインサイドを破り、スパーズ守備陣に狙いどころを絞らせなかった。そして第3クォーターは一転して3ポイントシュート攻勢。5選手で6本の3ポイントシュートを決めて96-78とリードを広げる。

第4クォーターの残り2分25秒にデュラント、カリー、ドレイモンド・グリーンをベンチに下げた時点で124-108、ここまでウォリアーズはスパーズに付け入る隙を与えず完勝。プレーオフに入ってブレイザーズ、ジャズ、スパーズとすべてスウィープ(4連勝)でファイナルへと駒を進めた。

この夏に40歳を迎えるジノビリ「少しゆっくり考えたい」

第4クォーターの残り2分25秒には、32分のプレータイムを得たジノビリが「マヌ、マヌ」の大合唱に送られてベンチに下がった。鳴り止まぬ「マヌ」コールに、涙をこらえながら手を挙げて応えるジノビリ。今夏に40歳を迎える彼は、今日の試合を最後に現役引退の可能性があるが、昨年と同様「プレーを続けるかどうか、少しゆっくり考えたい」と去就については明言を避けた。

4連敗で終わった結果についてジノビリは「カワイ(レナード)抜きではオフェンスもディフェンスも苦しすぎた。その前にはトニー・パーカーまで失っているからね」と残念そう。「僕らが勝つには10の力を出し切り、なおかつ相手の力を7に抑える必要があった。そうするつもりだったんだけどね」

キャバリアーズとセルティックスは2勝1敗、この両者の決着がつくまでウォリアーズはコンディションを整えることができる。カリーは言う。「ファイナルに行くまで、相手はよりハードにやらなきゃいけない。僕たちは自分たちの任務を果たし、座って成り行きを眺めていられる」

ファイナルでキャバリアーズに敗れた昨シーズン、カリーを筆頭にウォリアーズはコンディションに苦しんだ。その過ちはもう繰り返さない。相手がどこであろうが、万全の準備を整えてファイナルに挑む。