シェイ・ギルジャス・アレクサンダー

ドライブから始まる得点パターンにアレンジを加える

サンダーは今シーズンも快調なスタートを切りました。開幕からジェイレン・ウィリアムズをはじめケガ人が多く、必ずしも順風満帆ではありませんでしたが、そんな問題を感じさせないほど、エースのシェイ・ギルジャス・アレキサンダーが圧倒的なプレーを見せています。特に3ポイントシュート成功率はキャリアハイの41%と好調です。

今シーズンのシェイのスタッツには大きな変化が起きています。サンダーにやってきて再建の中心となってから、5シーズン連続でリーグトップだったドライブの回数が、トレイルブレイザーズのデニ・アブディヤとピストンズのケイド・カニングハムよりも少ないリーグ3位に留まっているのです。最も多かったシーズンは25回を超え、2年前も23.3を記録したドライブ数は、昨シーズンに20.6、今シーズンは18.1とこの2年で明確に減っています。

長い手足と切れ味鋭い切り返しを武器にドライブを始めると、驚異的に決まるフェイダウェイで後ろに下がる動きを警戒させ、前に出るステップインに、シュートフェイクで相手を先に飛ばせてのファウルドロー。シェイの得点パターンは基本的にドライブから始まります。今シーズンは対戦相手が『ファウルをしない』対策を徹底していますが、触れられなければ54.8%と驚異の成功率を誇るシュートを決めるだけ。一度ドライブで侵入されたらシェイを止めるのは困難です。

そんなシェイを止めるには、早めにヘルプポジションを取ってドライブコースを消すことが第一です。その対抗策としてか、昨シーズンからはドライブへ行くステップをフェイクにして、ステップバックでの3ポイントシュートを増やしてきました。昨シーズンの時点で36%と十分に評価できる成功率でしたが、今シーズンはなんと49%とドライブ以上に効率の良い武器になっています。

ルカ・ドンチッチにとってのステップバックはメインで使う武器ですが、シェイにとってはあくまでもドライブとセットで活用するプレーであり、アテンプトは1試合に2本程度。しかし、その成功率はあまりにも高く、相手ディフェンスからは無視できないものになり、そうなればドライブやファウルドローがさら更に怖くなり……と、すでに完成されていると思われたシェイのプレー全体をさらにバージョンアップさせています。

最も恐ろしいのは、個人賞を総ナメにし、チャンピオンリングも手に入れた次のシーズンに新たな進化を見せるシェイのマインドです。頂点に立っても満足することのなかったシェイは、さらに完成度を増したプレーで、より簡単に、より効果的に得点を奪っています。