ラプターズ

昨シーズンの30勝52敗から14勝5敗と大きく飛躍

開幕直後は1勝4敗と苦戦したラプターズですが、それ以降は13勝1敗と好調を維持し、東カンファレンス2位に浮上しました。成功の秘訣はスコッティ・バーンズとブランドン・イングラム、イマニュエル・クイックリー、RJ・バレットが並ぶスターターではなく、彼らを中心にしながらもベンチメンバーを有効に組み合わせる点にあります。

強力なプレッシャーディフェンスをするジャマール・シード、オフボールムーブと判断の早さが魅力のグレイディ・ディック、オールラウンドな能力を発揮するオチャイ・アバジ、運動量豊富でウイングからビッグ役まで務めるサンドロ・マムケラシュビリ、堅実なシューティングと粘り強いマンマークで貢献する2年目のジャコービー・ウォルター、ルーキーながら高いシュート力にアシスト役までこなすコリン・マレー・ボイルズ。全員が自らのミッションを確実に遂行するため、3ポイントシュート成功率64.7%のジェイミソン・バトルにプレータイムを割けないほど、ベンチメンバーが充実しています。

ラプターズは運動量が多く、特にディフェンスではリーグで最も足を動かしています。個人で見るとアバジ、ウォルター、ディック、マムケラシュビリが特に運動量が多く、優れたトランジションディフェンスで速攻を許さず、ハーフコートでもチェイスにより相手の3ポイントシュートへプレッシャーを掛けます。

ディフェンスの運動量が多いのは、それだけ相手にボールを回されたり、1on1で突破される回数が多いことでもありますが、ポジションレスで守れる選手が多いこともあり、ヘルプとローテーションのスピードで穴を埋めることに成功しています。

また、優秀なベンチメンバーが多いことでタイムシェアが進み、過酷な日程でも離脱者を抑えられていることも重要です。運動量をベースにした戦い方はケガ人が増えると成立せず、まさにラプターズ自身が昨シーズンに経験したことでもあり、苦しんだ期間にウォルターとシード、ディックと若手が経験を積めたことも、今の好調に繋がっています。

ダーコ・ラジャコビッチがヘッドコーチに就任してから、パスワークと運動量をベースにした戦術で、多くのイージーシュートを作るオフェンスを構築してきました。今シーズンも3ポイントシュートのアテンプトはリーグで4番目に少ない32.0とアウトサイドに頼らず、リーグ4位の29.6のアシストから、リーグ5位のペイント内得点53.8を記録しています。

苦しい状況に追い込まれるとスターターを長く起用したくなるものですが、このオフェンス戦術が機能する今は特定のエースに頼る必要がなく、誰がコートにいてもバランス良くチャンスを作っています。だからこそ特定の選手のプレータイムが長くならずに済み、ケガも抑制できる。好調だからこそ様々なことが上手く回り、上手く回るからこそ好調が続いています。