アンファニー・サイモンズ

「それがどのように起こるか楽しみなんだ」

アンファニー・サイモンズの将来は不透明だ。ドリュー・ホリデーとの交換でトレイルブレイザーズからセルティックスにトレードされたが、その狙いは戦力ではなくサラリー削減で、もう一度トレードされる可能性がある。契約は残り1年で2700万ドル(約40億円)で、サラリー削減に四苦八苦したセルティックスが来年オフまでに大型契約を彼に提示するとは考えづらい。

サイモンズもそれは理解しており、セルティックスの一員としての最初の言葉は「トレードの噂はいろいろ耳に入っている」だった。それと同時に「僕はセルティックスの一員となり、すでに確立されたカルチャーに加わり、最高のレベルで勝つためにバスケをする。それが僕のキャリアを大きく動かすことになる」と語っている。

セルティックスの指揮官ジョー・マズーラはサイモンズに対して明確な態度を取っている。「得点できる才能は証明済みだ。しかし、自分だけでなくチームメートの活躍も引き出すようなプレーをしならなければならない」と、その評価は高くも厳しい。

ブレイザーズでは勝ち負けとは関係ないところで、派手なプレーでスタッツを残せば評価された。しかし、セルティックスにその文化はない。『勝つためのバスケ』を学び、実践できるかどうかが、彼の今後のキャリアを左右する。

「僕はチームのNo.1オプションとして、毎試合相手のベストディフェンダーにマークされ、ダブルチームをかわして得点する術を学んできた。このチームでその役割はジェイレン・ブラウンが担っているから、僕は得点であれ他の何であれ、別の方法でチームの勝利に貢献したい。その過程で今まで見られなかった最高の自分を引き出せると思っているし、それがどのように起こるか楽しみなんだ」

これまでのプレシーズン2試合、サイモンズは先発で26分プレーして18得点、ベンチから25分の出場で21得点を記録。新しいチームに加わり、役割が変わっても得点能力を落とさず、先発を外れても「キャリアの最初はデイム(デイミアン・リラード)やCJ(マッカラム)と一緒でベンチスタートだったから、その時の経験が役に立った」と気にしていない。

それよりも彼が関心を持ったのは、セルティックスの一員としてTDガーデンでプレーすることだ。現地10月12日のキャバリアーズ戦がその機会で、「ここに来るたびにファンの熱気を楽しみ、気分良くプレーできていた。今回も同じように楽しくやれたよ」と喜びを語った。

サイモンズはキャリアの大きな岐路に立っているが、その挑戦を楽しみ、自らの手で良い未来をつかみ取るつもりだ。