
新指揮官と新戦力のポテンシャルは無限大
昨シーズンは11勝49敗で東地区最下位に沈んだ仙台89ERSは、ロスターの半数以上が入れ替わることになったが、プライマリーロゴの刷新も含め新しいチームとしてスタートするには格好のタイミングになった。シーホース三河で昨シーズンまでアソシエイトヘッドコーチを務めていたダン・タシュニーをヘッドコーチとして招聘し、強固なディフェンスからのトランジションオフェンスを展開するバスケットを追い求める。
ここに新たに加入したのが井上宗一郎や、セルジオ・エル ダーウィッチだ。井上はこのオフシーズンで肉体改造に成功。外国籍選手へのマッチアップでも当たり負けをしないことが期待され、ローテーションの手助けとなるはずだ。そしてダーウィッチは今シーズンからアジア特別枠に入ったレバノンの代表選手としても活躍し、国内リーグで得点王に輝いた中東屈指のプレーヤー。アップテンポなバスケットの一端を担うことに期待がかかる。
チームカルチャーはこれまでと変わらず『GRIND』が継承される。これは「骨を折って何かに打ち込む」「一生懸命に何かをする」という意味で、どんな時でもやるべきことを泥臭く継続することで苦境を乗り越えていくというスタイルを示している。このカルチャーを紡ぐのが渡辺翔太だ。特別指定選手として加入してから仙台一筋でプレーする渡辺が、これまで仙台を代表する数々のプレーヤーが体現してきたチームカルチャーを伝承し、タシュニーヘッドコーチが掲げるバスケットと融合できれば、リーグのダークホースとして恐れられる存在となるだろう。
スタッツ

予想スタメン

※掲載情報は9月29日時点のもの
昨シーズンの主力ポイントガードが退団し、渡辺にかかる負担は大きくなるが船生誠也や、ダーウィッチらがラインナップしてポジションレスなバスケットが展開されるだろう。ジャレット・カルバーも積極的なオフェンスが魅力的だ。ネイサン・ブースは平均12.2得点と昨シーズンの仙台のオフェンスを牽引しており、208cmとセンターでありながら41.8%との高確率の3ポイントシュートにも要注意が必要だ。
所属選手一覧

※掲載情報は9月29日時点のもの
【キープレーヤー】

渡辺翔太
特別指定選手時代を含めて在籍7年目となる生え抜きのポイントガード。昨シーズンはキャリアで初めて全60試合に出場し53試合で先発を任された。仙台を知り、チームカルチャーを継承するポイントガードとしてさらなる飛躍が期待される。
【若手選手】

岡島和真
オーストラリアにバスケ留学をした経歴を持ち、アースフレンズ東京Zで本格的なプロキャリアをスタート。今シーズンに山形ワイヴァンズから移籍して自身初となるB1の舞台に挑戦する。タシュニーヘッドコーチも「高いポテンシャルを持つプレーメーカー」と太鼓判を押す21歳。
【新加入選手】

ジャレット・カルバー
NBAのドラフト1巡目全体6位指名を受けた経歴のあるウイングプレーヤー。昨シーズンはGリーグマジックで、積極的に3ポイントシュートを狙い、フィールドゴールのほぼ半分を占めるアテンプト数を記録した。トランジションオフェンスのハンドラーとしても活躍が期待される。