
スタイルが見えた大阪、こじ開けたA東京
9月23日、GLION ARENA KOBE(兵庫県神戸市)にて開催されたプレシーズンゲーム『KOBE RISING 2025』で、アルバルク東京が大阪エヴェッサに75-68で勝利した。
ライアン・ロシター、ブランドン・デイヴィスのインジュアリーリスト入りに伴い、アイラ・ブラウン、スティーブ・ザックが加入したばかりのA東京は、試合を通じて良い形を作れなかったものの、ザック・バランスキーの要所での3ポイントシュートや小酒部泰暉のドライブからの得点で強豪の意地を見せた。大阪はアグレッシブなディフェンスなどで今シーズンのスタイルを表現する中で、竹内譲次が得点、ブロックショットと存在感を発揮。対照的なゲームプランとなった両チームだったが、ともにベテランプレーヤーが活躍した試合となった。
試合は大阪ペースからスタート。大阪のフィジカルなディフェンスにA東京は苦戦を強いられ、開始から0-6のランを奪われる。リズムに乗れないA東京に対して大阪はピック&ロールやオフボールスクリーンを多用してギャップを作り、リードを最大18点まで広げた。しかしA東京は今シーズンのフォーカスポイントとなるトランジションが出始め、大倉颯太とマーカス・フォスターが中心となって連続得点でじわじわと追い上げをはかる。
A東京は第3クォーターも引き続き、テーブス海の3ポイントシュートなどで追い上げる。両チームとも第3クォーターの中盤でチームファウルが4つ。大阪はアグレッシブなディフェンスを継続。マット・ボンズがファウルを誘うプレーでフリースローを獲得すると、さらに波に乗る。対照的にA東京は思うようなバスケットを展開できないものの、小酒部が状況を打破するために強引なドライブからレイアップで連続得点を重ね、残り2分58秒で1点差に追いつく。拮抗した展開となったクォーター終盤で、大阪は痛恨の連続ターンオーバー。A東京はこの流れを引き寄せ、残り1分を切ったところでテーブスの3ポイントシュート、セバスチャン・サイズの連続得点で57-53とリードを奪った。
第4クォーターに入ると、A東京はクローズアウトシチュエーションが増えた大阪のギャップを突いて得点を重ねる。大阪も屈さず、竹内がサイズからターンオーバーを誘うなどA東京の攻撃の芽を摘んで3点差まで追い上げる。しかし勝負を決めたのはA東京のバランスキー。残り2分を切ったところで、ハンドラーに対するトラップディフェンスで生まれたディフェンスローテーションの一瞬のスキを突いて3ポイントシュートを放ち、6点差としたのが決定機となった。点差を縮めようとあせる大阪に対してA東京は、この試合で初めてプレーに余裕が生まれ、大倉とテーブスが立て続けに3ポイントシュートを決めて、粘る大阪を振り切った。
大阪の藤田弘輝ヘッドコーチは相手チームのMVPにバランスキーを選出。「彼のピック&ロールディフェンスに攻めあぐね、3ポイントシュートに苦しめられました。いぶし銀のプレーをされてしまいました」と賞賛を送った。