レフェリー

4日間にわたる座学・トレーニング・実践

Bリーグは9月11日から14日にかけて、JBA公認プロフェッショナルレフェリーを対象としたキャンプを開催した。2017年に加藤誉樹レフェリーが初めて認定されて以来、日本国内にはこれまでに計9名のプロレフェリーが誕生している。今回のレフェリーキャンプはプロレフェリーが誕生してから初めての試みとなる。

参加したのは『FIBAユーロバスケット2025』派遣中の加藤誉樹を除く8名。初日はグロービス・マネジメント・スクール講師の江原潤を講師に迎えてのロジカルコミュニケーションについての座学と、レフェリーを担当する『Bリーググローバルインビテーショナル2025』(9月12日、13日開催)に向けたカンファレンスを実施した。カンファレンスではJBA審判グループの上田篤拓とともに試合の準備やプレー映像のチェックを行った。

2日目と3日目はトレーニングとコンディションのセッションを行った後に、『Bリーググローバルインビテーショナル2025』のレフェリングを担当。4日目には試合のジャッジとキャンプ全体の振り返りを行った。

阿部聖レフェリーは「我々プロレフェリーが学んだことを兼業のレフェリー仲間に伝えていくことで、副産物が大きくなっていくということをしっかりと意識して、全国各地のレフェリーに伝えていきたいです」、秋山厚志レフェリーは「プロレフェリーが一堂に集まり、キャンプを開催する機会はなかなかありません。我々が学んだことを仲間にアウトプットしていき、レフェリー全体でレベルアップしたいです」と感想を語った。

レフェリー

レフェリーに即したS&C知識をレクチャー

参加者から大きな反応が寄せられたのが、トレーニング&コンディショニングのセッションだ。岩井遥河レフェリーは「専門的なレクチャーを受けるのは初めてですが、レフェリーの実態に即した内容で食事をとるタイミングや必要な栄養素などを提示していただけ、すごくイメージが持ちやすくなりました。トレーニングについてもより効果的な方法を知ることができ、とても勉強になりました」と振り返っている。

同セッションで講師を務めた吉田修久(B.LEAGUE SCS推進チーム・スポーツパフォーマンス&サイエンススペシャリスト)は今回のセッションのねらいについて次のように説明した。

「レフェリーの方が安定的にパフォーマンスを発揮できればゲームのクオリティはより上がるでしょうし、彼らがより円滑に試合を運ぶことは各クラブ・選手にとってもメリットが大きいはずです。今回は第一段階として意識改革から始めさせていただき、その上で筋力の上げ方、より良い動作の身につけ方、栄養・睡眠についてお話しさせていただきました」

今回のようなレフェリーを対象とした取り組みは、今後も継続的に実施予定だと吉田は言う。

今回参加された方々からは『具体的なトレーニングプログラムを知りたい』という要望もいただきました。我々からベーシックな運動やエクササイズなどを提供し、皆さんから実際のリーグ中のパフォーマンスに関するフィードバックをいただく。そして新たな問題が出てきたらそれに対するアプローチを模索する、というやり方を進めていければと考えています」

選手たちと同様、レフェリーも40分間走り続けながら思考や動作、メンタルを保ち続けなければいけない。彼らのコンディショニング向上がゲームの質のさらなる向上に繋がることに期待したい。