「良い時も悪い時もある。重要なのは得点以外の部分」
ラプターズが球団史上初のNBAファイナルに進出できた要因として、3年目の今シーズンに大躍進を遂げたパスカル・シアカムの存在が挙げられる。
ウォリアーズとのファイナル第1戦では、フィールドゴール17本中14本(成功率82.4%)を成功させ、プレーオフでのキャリアハイとなる32得点を記録し、本拠地スコシアバンク・アリーナでの勝利に貢献。試合を重ねるごとにエースのカワイ・レナードへのマークが厳しくなることを考えれば、ラプターズがシリーズをリードするには、シアカムの活躍が欠かせない。
シアカムは、今シーズンのプレーオフでここまで20試合に出場している。1桁得点に抑えられる試合もあり、まだまだ波はあるものの、プレーオフの最中にもステップアップしつつある。今シリーズではNBAでもトップクラスのディフェンダー、ドレイモンド・グリーンとマッチアップしているが、この機会もステップアップのチャンスと言えそうだ。
敵地に移動しての第3戦を控えて本人はこう語る。「良い時も悪い時もあるけど、重要なのは得点以外の部分で試合にインパクトを与えることだ。たまに30得点を決められるし、10得点の時だってある。でも、10得点の試合でもインパクトを与えないといけない。ディフェンスの部分であったり、チームに力を与えるようなプレーであったり、そういう部分の安定感を出したい。自分でコントロールできることは、すべての試合で安定してやらないといけないんだ」
大きな責任を背負っているが、それを楽しむ余裕が若いシアカムにはある。
「僕らが対戦しているのは王者であり、彼らはこの舞台を経験済みだ。アジャストするのも大事だし、マッチアップする相手も変わるから、ポゼッションごとに変化する感覚がある。変化というより、何をすべきかの決断が大事かな。こちらがこれまでと違うことをやるのか、相手が違ったことを仕掛けてくるのか。いずれにしても、すごく面白いよ」
どれだけの得点を挙げるかはコントロールできないにせよ、他の部分でシアカムは絶対にチームに貢献するつもりだ。どのようなインパクトを試合に与えるのか。そのプレーに注目したい。