.写真=Getty Images

カリーとグリーンが不発、ウォリアーズはシーズン初の連敗

現地24日に行われたサンダーとウォリアーズの第4戦。序盤は両チームともに点の取り合いになる。このまま拮抗した展開が続くかと思われたが、サンダー自慢のコンビがこの状況を打破する。

第2クォーターだけで、ラッセル・ウェストブルックが16得点、ケビン・デュラントが10得点を挙げチームを引っ張る。勢いに乗るチームはディフェンスから流れを作り、残り時間5分37秒から24-11のランを決め、72-53と大量リードを奪ってハーフタイムを迎えた。

第3戦と同じような展開となりつつある中、ウォリアーズも奮起。前半は沈黙していたクレイ・トンプソンが当たり始め、第3クォーターだけで19点を挙げる。だが、ここで崩れないのが今のサンダーだ。

80-74と6点差まで詰め寄られるも、ウェストブルックのアシストからスティーブン・アダムズのダンクでリズムを作り、シックスマンのディオン・ウェイターが3ポイントシュートを沈めるなど、ウォリアーズに傾きかけた流れを引き寄せる。第3クォーターの終わりをデュラントのジャンプショットで締め、94-82とリードを保ったまま最終クォーターを迎えた。

この日のサンダーはディフェンスも冴えていた。ウォリアーズに得点を奪われても、連続して良い形を作らせることなく、相手を勢いに乗せない。ステファン・カリーもこのディフェンスに苦しみ、特に後半は4得点とブレーキになった。また、前回の試合から調子を落としているドレイモンド・グリーンも38分間の出場で6得点。サンダーは相手のキーマンをことごとく封じ込めたのだ。

サンダーの2枚看板は絶好調。ウェストブルックが36得点11リバウンド11アシストのトリプル・ダブル、デュラントが26得点11リバウンド4アシスト4スティール3ブロックと攻守に存在感を見せつけ、超強力デュオがスプラッシュブラザーズを圧倒した。

それだけではない。アダムスとサージ・イバーカは自信満々でダイナミックなプレーを披露。アンドレ・ロバーソンも要所で好プレーを連発し、17得点12リバウンドのダブル・ダブルを記録した(フリースローが8本中2本は反省すべきだが)。

サンダーはデュラントとウェストブルックのデュオという強力な武器を持ちながら、チームがあまりにもこの2人に依存しすぎ、攻撃一辺倒でバランスが悪いという弱点を抱えていた。しかし、前回に続きこの試合でもチームの力が噛み合い、攻守にバランスの良いパフォーマンスで前年王者ウォリアーズを圧倒したのだ。

第4クォーター残り3分15秒、ウェストブルックが3ポイントシュートを決めて114-91とサンダーがリードを23点に広げたところで、ウォリアーズは主力をベンチに下げて白旗を掲げた。レギュラーシーズンから通じて、ウォリアーズが連敗したのはこれが初のことだ。

これでNBAファイナル進出に王手をかけたサンダー。もう一つ勝てば、スパーズとウォリアーズという『西の2強』を破ることになる。試合終了直後、ウェストブルックはこう語った。「いいところまで来たけど、勝ち抜けを決めなきゃ意味がない。どの試合も難しいことは理解している。だから次のゲームでもベストを尽くすよ」

ウォリアーズのエース、カリーは同じことを逆の立場から語った。「厳しい状況に追い込まれた。でも、まだシリーズは終わったわけじゃない」

まさにチーム一丸、2枚看板に引っ張られながらも、他のメンバーも個々が力を発揮し、ウォリアーズに完勝した。