3年連続で2桁アシストなど、ポイントガードとして活躍

5度のオールスター選出を誇るジョン・ウォールが、自身のSNSで引退を発表した。映像と共に「引退をするけど、終わりではない。これからもジョン・ウォールのやり方で」とメッセージを添えている。

現在34歳のウォールは2010年、ドラフト全体1位指名でウィザーズに入団。1年目から中心選手の役割を担うと、4年目には82試合出場、平均19.3得点、8.8アシストの活躍が認められオールスターに初出場を果たした。このシーズン、チームを6年ぶりのプレーオフに導いてカンファレンス準決勝進出と飛躍を遂げた。

翌年からウォールは3シーズン連続で2桁アシストを記録し、2016-17シーズンは78試合出場でともに自己最多となる23.1得点、10.7アシストを挙げた。2014年から5シーズン連続でのオールスター選出が示すように、抜群の身体能力を生かした豪快なアタックと非凡なアシスト能力を兼ね備えたエリートガードとして一世を風靡した。

2017-18シーズンの後半からは、度重なる故障もあって欠場を繰り返すようになったウォール。2019-20シーズンを全休した後、ロケッツに移籍をして出直しを図るが、2020-21シーズンの出場は40試合に留まった。さらに、若返りを推し進める首脳陣との軋轢もあって構想外となり、2021-22シーズンは一度もコートに立たなかった。

2022年夏にロケッツとのバイアウトが成立し、クリッパーズに加入したが、ここでもウォールはチームの期待に応えるパフォーマンスを見せられなかった。その結果、シーズン途中の2月にグリズリーズをからめた三角トレードで仲違いしたロケッツに出戻ったが、その直後にバイアウトが成立し、放出された。ウォールは以後2シーズンにわたってコートに戻ることなく引退を迎えた。

最終的にウォールは、NBA通算647試合出場で平均18.7得点、8.9アシスト、4.2リバウンド、1.6スティールを記録。キャリア序盤はNBA屈指の若手ポイントガードと評される活躍を披露したが、2017-18シーズン以降はシーズン全体の半分以下しか出場がなかった。故障によって傑出した才能を披露できる機会が短く終わってしまったことは悔やまれるが、ウィザーズ史上に残る名選手の1人として一時代を築いたことは間違いない。