カリー&トンプソンの『スプラッシュブラザーズ』の絶対的なシュート力を軸に、オフボールスクリーンからイージーシュートの形を作り出すチームバスケットは完成の域に達している。絶対的な得点能力を持つケビン・デュラントを故障で欠きながらトレイルブレイザーズをスウィープできたのは、個の強みだけに頼らないチーム力の高さを発揮した結果。スモールラインナップによる破壊的なトランジションオフェンスと走力を重視したディフェンスで3ピート(3連覇)を狙う。
PG 30 ステフィン・カリー
ハーフコートラインを過ぎたエリアすべてがシュートレンジ。その射程の長さと精度が脅威となるのはもちろん、ピック&ロールから多彩なオフェンスの選択肢を持ち、スクリーンで少しでもズレができれば躊躇なく3ポイントシュートを放つ感性を持つ。また、巧みなボールハンドリングを兼ね備え、スピードではなく緩急を使ったドライブで相手を切り裂く。味方を生かすパスセンスを持ち、レイアップの精度も高いため、相手にとっては守りにくいことこの上ない。
SG 11 クレイ・トンプソン
『スプラッシュブラザーズ』のカリーの相棒。スクリーンを使ってのキャッチ&シュートやドライブからのミドルシュートなど、ペリメーターからのシュートを得意とし、3ポイントシュートの成功率は8シーズン連続で40%を超える。また、ギャンブルすることなく足を使ってタフショットを打たせることを意識したディフェンス能力も高く、リーグ屈指の2ウェイプレーヤーとして、ウォリアーズではエースキラーの役割も担う。
The deepest Dubs' treys of the #NBAPlayoffs pic.twitter.com/gyLoyZbzXF
— Golden State Warriors (@warriors) 2019年5月26日
SG 9 アンドレ・イグダーラ
シュート力はそこまで高くないが、優れた身体能力とバスケットIQをフル活用してウォリアーズのトランジションバスケットを支える。レギュラーシーズンではシックスマンとしてベンチから違いを生み出したが、よりディフェンスが重視されるプレーオフでその存在感はさらに際立つ。フィジカル色の強い安定感抜群のディフェンスとランニングプレーでデュラント不在でもチームの勢いを落とさない。2015年に優勝した際のファイナルMVP。
PF 23 ドレイモンド・グリーン
201cmとサイズはないが、自分よりも大きい選手を守れる屈強な肉体を持ち、ガードとマッチアップしても振り切られないフットワークを備える。非常にバスケIQが高く、スモールラインナップで生まれる穴を、グリーンがヘルプディフェンスでカバーしているからこそ、ウォリアーズのディフェンスは機能する。ピック&ロールのスクリーナーとして、フィニッシャーにもアシスト役にもなれる万能プレーヤー。自らボールをプッシュすることもできるウォリアーズの心臓。
C 12 アンドリュー・ボーガット
カズンズの故障に伴い、ウォリアーズに復帰したベテランビッグマン。指揮官スティーブ・カーのゲームプランにもよるが、スタンダードなメンバーで臨むとすれば、純粋なビッグマンのボーガットが先発に名を連ねる。決して器用なタイプではないが、一手先を読んでリバウンドとスクリーンなど献身的に汗をかき身体を張ることでインサイドを支える。2015年の優勝メンバーであり、チームスタイルは熟知している。
PG 34 ショーン・リビングストン
カリーのバックアップを務める長身ガード。3ポイントシュートをほぼ打たないNBAのトレンドの対極にあるタイプだが、ミドルシュートの精度は高く、ミスマッチからのポストプレーやランニングプレーを得意とする。アシスト数をターンオーバーで割ったAST/TOの数値はチーム最高の7.3と非常に高く、ミスが少ない堅実なプレーでカリーのいない時間帯を支えている。
C 5 ケボン・ルーニー
プレーオフの16試合すべてに出場し、ベンチメンバーでは最長となる約20分のプレータイムを得ている成長株。206cmとセンターとしては小さいが、それを強靭な肉体と脚力で補っている。基本に忠実で、リバウンド争いにしっかり加わり、こぼれ球を押し込むなど泥臭いプレーでチームに貢献。味方が崩した最後のフィニッシャーになることが多いこともあるが、フィールドゴール成功率は驚異の72.5%を記録している。
The #GLeagueAlum duo of Kevon Looney & Alfonzo McKinnie made key contributions in the Game 4 win, helping the @warriors secure their 5th straight trip to the #NBAFinals! ??@Loon_Rebel5: 12 PTS, 14 REB@_Alvo_: 12 PTS, 2 REB#NBAPlayoffs pic.twitter.com/hSK1AVeXCF
— NBA G League (@nbagleague) 2019年5月21日
PG 28 アルフォンソ・マッキーニー
Gリーグからのしあがった苦労人。アシスタントコーチのマイク・ブラウンが「プレーオフでディフェンスで貢献できる選手」と称賛するように、フットワークの軽いディフェンスが強み。それでもプレーオフに飲まれないメンタルの強さを持ち、シュートチャンスがあれば積極的に打って結果を出している。一つのミスが命取りになりかねないプレーオフでデュラント不在の影響を感じさせなかったのは、マッキーニーのステップアップが大きい。
PG 4 クイン・クック
2ウェイ契約だった昨シーズン、カリーが捻挫で欠場した試合でスターターを任され、25得点、28得点と2試合続けてキャリハイを更新したことでウォリアーズにおける居場所を勝ち取った。シュート力に定評があり、味方を生かすよりも自ら仕掛けてシュートを放つスコアリング型のポイントガード。
SF 35 ケビン・デュラント
ロケッツとのカンファレンス・セミファイナル第5戦で右ふくらはぎを負傷し、そこから欠場が続いている。長身で打点の高いフォームから放たれるシュートは落ちるのを祈るしかない精度を誇る。なおかつチームメートを生かすプレーもできるのが彼の恐ろしいところ。ケガをするまでの11試合で平均34.2得点とモンスター級の好調ぶりだった。もしファイナルでラプターズに追い詰められるような事態になれば、デュラントが切り札として出てくることになりそうだ。
Competition
[kämpəˈtiSH(ə)n] noun
A situation in which someone is trying to win something. pic.twitter.com/xzH2eQ5fPT
— Golden State Warriors (@warriors) 2019年5月28日