「続けてこういった試合をすることはあまりよくない」

『FIBA女子アシアカップ2025』が開幕し、女子日本代表は苦しいスタートとなっている。レバノン代表、フィリピン代表相手に連勝していることで最低限のノルマは達成しているが、ともに格下で大差をつけて勝ちたい相手に対し、レバノンには72-68、フィリピンには85-82と僅差での試合が続いている。

2試合ともにコーリー・ゲインズヘッドコーチは、12名全員をしっかりと起用しタイムシェアを徹底と先を見据えた采配を執った。また、両チームとも確かな成長を見せていていろいろと考慮すべき点はあるが、本日に対戦するオーストラリア代表はレバノンに113-34、フィリピンに115-39とそれぞれ圧勝している。

フィリピン戦での日本は序盤から主導権を握り第3クォーター終了時点で20点の大量リードを奪った。だが、3連戦の3試合目となる今日の試合のため、主力メンバーを揃ってベンチに下げた第4クォーターに一気に失速し、結果的に1ポゼッション差に迫られる辛勝だった。

フィリピンの猛追をくらっている味方の姿をベンチで見守っていた中心選手の1人、馬瓜ステファニーは「もどかしい気持ちもあります」と、開幕2試合の戦いぶりについて語る。

初戦のレバノン戦を終えた後、馬瓜は「最初に20名以上が合宿に参加したところから、12名に選ばれてここにいます。昨日の試合が終わった後、レバノンに顔を引っ叩かれたところがあったことに気付きました。今日は絶対にスタートから気持ちを強く持ってやろうと思いました」と、より気を引き締めてフィリピン戦に臨んだという。

チーム全員が馬瓜のように気持ちを入れて試合に入り、第3クォーターまでは理想的な戦いができたが、第4クォーターの失速は大いに反省すべきで、馬瓜も「昨日は『勝つこともできて、学びもあったので良かった』で終われますが、2日続けてこういった試合をすることはあまりよくないです」と危機感を強調する。

レバノン戦は190cmのジュリアン・アーチャーに10得点12リバウンド、フィリピン戦は195cmのジャック・アニマムに24得点14リバウンドと、相手の長身選手に苦しめられた。高さは日本の課題であり、ある程度はやられても仕方がない部分もあるが、馬瓜は現実をしっかりと直視している。

「やられていいところもありますが、毎ポゼッションやられていいのかといえばそれは別の話です。こういう言い方はあれですけど、レバノン、フィリピンのビッグマンに対してやられていると強豪のオーストラリア、中国のビッグマンに対しては『うーん、これで戦えるのか?』となってしまう。そこは考えないといけないところです」

今日のオーストラリア戦、過去2試合と同じクォリティーのプレーでは間違いなく通用しない。3度目の正直ではないが、今度こそ40分間を通して日本は、自分たちのやるべきバスケットボールを遂行しないと悲惨な結果となってしまう。ここで王座奪還に向けて軌道修正ができるのか、日本の底力に期待したい。