2015年はイグダーラ、直近2年はデュラントが受賞
3度の優勝、2年連続のシーズンMVP、そして3ポイントシュートに関するNBA記録を更新し続けているウォリアーズのステフィン・カリー。彼が手にしていない最大の個人タイトルは、NBAファイナルMVPだ。
初めて優勝した2015年のファイナルでは、アンドレ・イグダーラがMVPを受賞。直近2年のファイナルMVPには、ケビン・デュラントが選出された。5月27日の練習後、ファイナルMVPについて聞かれたカリーは、「特別な個人賞だし、自分も含めて、みんなが欲しがるタイトルだよね」とコメント。しかし彼の頭には、ウォリアーズがスリーピート(3連覇)を達成するNBA史上6チーム目になることと、オラクル・アリーナでの最終年を有終の美で締めくくることしかない。
「ただ、最終的に自分が考えるのは、試合に勝ったのか、負けたのか、ということ。(ファイナルMVPは)勝敗の次にくるもの。もっと下かもしれないね」
Stephen knocks it down from The Bay❗️ pic.twitter.com/y1wYc077Iz
— Golden State Warriors (@warriors) 2019年5月21日
NBA史に残る偉大な選手たちの大半が手にしてきたファイナルMVPの称号だが、カリーは、チームメートたちの力がなければ優勝できていないと主張、「自分やドレイモンド(グリーン)、アンドレらの力なしで優勝できていたと思うかって?そんなことはない」と、言う。
「みんなにそれぞれの役割がある。どちらが勝っても、それは今回も変わらない。自分が1試合平均50得点を記録できたとしても、コートに出てプレーする全員の貢献、努力がなかったら、優勝バナーを掲げられない。個人の賞もだけれど、全員が同じくらいチームとして成し遂げてきたことに誇りを持っているんだ」
カリーは、2015年のシリーズでレブロン・ジェームズに決定的な仕事をさせなかったイグダーラがファイナルMVPを受賞した時も、この2年デュラントが受賞した時も、彼らを称えた。今シーズン後半からウォリアーズに復帰したアンドリュー・ボーガットは、カリーの姿勢を称賛するチームメートの一人だ。
「ステフは、(2015年の)シリーズでのアンドレの活躍を分かっているんだよ」と、ボーガット。「ステフが、チームメートの個人賞受賞を疎ましく思うところなんて、一度も見たことがない。彼はMVPを2度も受賞している選手。それに複数回優勝している。偉大な選手の一人として、歴史に名前が残る選手だよ。彼は、もっと大きなところを見ている選手だと思う。このリーグは、時に個人の競争が激しい。でもステフは、そういうタイプではないんだ。彼は、チームメートとの争いに勝つことより、目の前の相手を倒したいと思っている選手だから」
今回のファイナルは、負傷欠場中のデュラント不在のまま第1戦を迎える可能性が高く、カリーがファイナルMVPを受賞するチャンスはある。本人はチームとしての結果を優先するだろうが、オークランドで最後のシーズンの締めくくりとして、生え抜きエースである彼にファイナルMVPを受賞して欲しいと考えているウォリアーズファンは少なくないはず。
ウォリアーズが3年連続のラリー・オブライエン・トロフィーを獲得した時、カリーの手にファイナルMVP受賞者に贈られるビル・ラッセル・トロフィーがあるかどうかも、今回のシリーズの注目ポイントになりそうだ。