強烈な追い上げを浴びるも崩れず、A東京が勝利
Bリーグ3年目のチャンピオンシップは、大接戦から一歩抜け出したアルバルク東京が千葉ジェッツを71-67で下し、リーグ連覇を決めた。
何度も対戦を繰り返してきた両チームによる最後の一発勝負とあって、A東京は千葉のトランジションを徹底して封じる。また千葉はマンツーマンとゾーンディフェンスを織り交ぜ、1つのポゼッションでゾーンで入ってマンツーマンに切り替えるなど変化をつけることでA東京のピック&ロールの精度を狂わせようとした。
第1クォーターは富樫勇樹が10得点、第2クォーターは田口成浩が3ポイントシュート4本を含む14得点と、千葉はシュートタッチが好調な選手にボールを集めて快調に得点を伸ばした。一方のA東京は変幻自在、ピック&ロールからの展開で多くの選手にチャンスを作り出して一歩も引かない。また田口にビッグショットを決められても下を向くことなく、直後に自分たちのオフェンスを遂行して得点を返して踏み留まる。安藤誓哉が富樫をドライブでかわしてシュートをねじ込んで35-33と逆転。A東京がわずかながらリードして前半を終えた。
試合が動いたのは後半開始直後だ。前半は無得点だった竹内譲次が2本の3ポイントシュートを沈めて41-35と突き放す。これで千葉はA東京のオフェンスに対してどこをケアするか絞れなくなり後手に回ることに。これでオフェンスにリズムまで悪くなった千葉に対して、A東京は一挙攻勢に出る。残り5分、田中大貴がピック&ロールから自らアタックし、ギャビン・エドワーズの当たりに屈せずバスケット・カウントをもぎ取る。これで10点差、田中には珍しくガッツポーズが飛び出すほどの会心のプレーだった。
富樫勇樹「追い上げられた点は去年からのチームの成長」
ここから千葉は、流れが悪い中で原修太が粘って得点を重ねて繋ぐが、安藤の3ポイントシュート、馬場雄大への合わせ、ザック・バランスキーのオープンスリーと、A東京のオフェンスが止まらない。第3クォーターの残り30秒には3ポイントシュートを狙う富樫に、外に引き出されたミルコ・ビエリツァが粘ってタフショットを打たせ、これが外れたのを見届けるとガッツポーズが飛び出した。
第4クォーター開始時点で45-64。エドワーズがハイポストでボールを保持するが周囲が動かず、何のアクションも起こせないまま自らタフショットを打つ、まずいオフェンスがあった。昨シーズンのファイナルでは集中が切れてしまい完敗。その再現が懸念されたが、今回はここから押し返した。
起点となったのは富樫だ。エドワーズのランニングプレーをアシストし、パーカーへの合わせを決めて反撃開始。A東京にイージーなパスミスが出て、さらには栃木ブレックスばりのブリッツで馬場を襲ってターンオーバーを誘うなどディフェンスも決まった。
富樫はこの反撃をこう振り返る。「なかなかチームとして良いバスケットはできませんでしたが、追い上げられた点は去年からのチームの成長です。あの点差でも気持ちを切らさず、誰もネガティブな発言をせず。プレーどうこうではなく、気持ちを切らさずに戦えました。そういう部分は今シーズン積み上げてきたもの。40分間常に戦おうとやってきたことができました」
MVPは馬場雄大「自分たちの思うようなバスケができた」
残り5分、富樫は自ら間合いを作って3ポイントシュートをねじ込み、次のポゼッションでも沈めて59-64までビハインドを詰めてオフィシャルタイムアウトを迎える。A東京としては19点あったリードが5点まで詰められ、非常に悪い流れにあったが、ここで奮起したのは馬場雄大だった。カークのシュートが落ちたリバウンドを拾ってジャンプシュートでねじ込むと、続いて安藤のアシストを受けてジャンプシュートを決めて69-61と突き放す。さらにオフェンスリバウンドに飛び込みファウルを誘い、千葉の勢いを断ち切った。
それでも千葉はあきらめない。エドワーズのフリースローで追いすがり、自らズレを作った富樫がフェイクでディフェンスを飛ばしての3ポイントシュートを沈めてついに2点差に迫る。直後のA東京のポゼッションでスティールに成功。残り20秒で逆転のチャンスを得たが、ここのトランジションで原が痛恨のパスミス。
やむなくファウルゲームに行くもアレックス・カークがこのフリースロー2本を確実に決めて、千葉にチャンスを残さなかった。最終スコア71-67、A東京が連覇を果たしている。
ファイナルMVPに輝いた馬場雄大は「ゲームを通してピック&ロールからノーマークを作ることができた。全体を通して自分たちの思うようなバスケをして、今回の勝ちがあると思います」と、ファイナルの激闘を勝ちきったことに胸を張った。
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