ゲン担ぎのシューズ交換が功を奏して大活躍
ケビン・デュラントの負傷離脱はウォリアーズにとって大きな痛手。スリーピート(3連覇)に暗雲が立ち込めたと見る人も少なくはなかった。予想通り、ロケッツとのカンファレンス・セミファイナル第6戦は一進一退の攻防を繰り広げる熱戦となったが、そこで違いを生み出したのはステフィン・カリーだった。
前半は無得点に終わったカリーだったが、後半だけで33得点を記録。第4クォーターには、プレーオフでの一つのクォーターにおけるキャリアハイとなる23得点を決める大活躍だった。
ワンポゼッションゲームが続いた第4クォーター残り3分9秒から、カリーがオフェンスを牽引。痛めている左手を気にしつつも、タフな3ポイントシュートを2本続けて成功させてリードを広げ、118-113での勝利に貢献した。本来の実力を発揮したカリーの活躍により、ウォリアーズは5年連続となるカンファレンス・ファイナル進出を決めている。
前半を無得点で終えたカリーは、ハーフタイムにシューズを変更。2015年に発売されたシグネチャーモデル第1弾の『Curry 1』に履き替えてリズムを取り戻した。試合後の会見でそのことを聞かれると、「前半の出来が良くない時には、ゲン担ぎでシューズを代えるんだ。昔のものに変えたことが功を奏したね」と、説明した。
カリーは、第1クォーター残り6分40秒までに2回目のファウルをコールされてしまい、クイン・クックとの交代を余儀なくされた。「あの時間帯にベンチで戦況を見守らないといけないのは辛かった」と心境を語るも、必ず状態を好転させられると思っていたという。
「必ず流れを変えられると思っていた。後半は序盤からシュートが何本か決まって、フロアの状況を把握できるようになった。相手のディフェンスが理解できるようになって、フロアが広く見え始めた。前半無得点で後半33得点という劇的な違いは初めてだったかもしれないけど、今日のような試合はこれまでにも経験してきたから。良い方向に変わってくれて助かった」
『事実上の決勝戦』と言われたロケッツとのシリーズを突破した彼らは、トレイルブレイザーズvsナゲッツの勝者を迎え撃つ。デュラントはファイナルまで欠場する可能性もあるため、ウォリアーズが勝ち上がるには、覚醒したカリーの力が不可欠だ。