球団社長フィル・ジャクソンの発言に選手が反発
ニックス球団社長のフィル・ジャクソンが、カーメロ・アンソニーを半ば戦力外であると公言したことが、思わぬ波紋を呼んでいる。
『The Vertical』によれば、チームの未来を担うクリスタプス・ポルジンギスを含む複数の選手がこれに反発。ジャクソンが提唱する『トライアングル・オフェンス』にも反旗を翻し、夏の間、チームの練習施設でのトレーニングを回避する可能性があるという。
今シーズン最後のチームミーティングを欠席したと報じられたポルジンギスは、今オフ母国ラトビアに長期滞在しながらトレーニングと来シーズンに向けた調整を続け、ニューヨークにはトレーニングキャンプ直前まで戻らないとも言われている。
これが事実であれば、最悪の場合ニックスの選手たちがジャクソン排除に向けボイコットを強行する可能性もゼロではない、ということ。指導者として11回の優勝を果たしたジャクソンは、ブルズとレイカーズに黄金期をもたらした『トライアングル・オフェンス』が現代のNBAでも有効と考え、現場を預かるジェフ・ホーナセックにも導入を要求している。
レギュラーシーズン後半時期にはジャクソンが練習場に姿を見せ、選手たちに自ら指導することもあった。しかし、2014年3月の就任後から導入を試みている同システムが機能していないのは結果を見れば明らか。
『トライアングル・オフェンス』の失敗は見て見ぬふり、それなのにアンソニーに不振の責任を負わせて追い出すとなれば、選手が反発するのも当然だ。特にポルジンギスは、アンソニーを兄のように慕っており、ジャクソンの対応に激怒したとも言われている。
2年目のシーズンを終えたポルジンギスは、間違いなくクラブの将来を担う逸材である。その彼は2019年の夏に制限付きフリーエージェントになる予定。このタイミングではニックスが優先権を持つが、そこで1年契約しか結べないとなれば2020年オフにFA権を取得することになる。通常であれば選手は好条件での複数年契約を望むものだが、もしニックスとの関係がこれ以上悪化するのであれば、ポルジンギスは自ら最短でFA権を取得する道を選びかねない。
チーム再建に必要なのは、フロントと現場の足並みが揃うことなのだが、今のニックスは両サイドの対立が表面化しつつある。ジャクソンが現場介入を今後も続け、方針を改めないようであれば、ポルジンギス流出の危機に発展しかねない。契約があるため、今すぐの流出とはならないにしても、クラブ内に対立を抱えたままではニックスが不振から抜け出すことはないだろう。
Phil Jackson reflects on Derrick Rose's season with the #Knicks. Watch here: https://t.co/w6pAxUonsV pic.twitter.com/SAyBbEtFju
— NEW YORK KNICKS (@nyknicks) 2017年4月14日