アサー・トンプソン

プレーオフの激しさに臆さず「こっちのほうが好きだ」

ピストンズは、ニックスとのプレーオフファーストラウンド第5戦に106-103で勝利した。負ければシーズン終了という崖っぷちで意地を見せ、シリーズ23敗とした。

試合は序盤から僅差のスコアで推移し、そのまま第4クォーターに突入。残り3分半で95-95の同点と互いに譲らない。しかし、ピストンズはここから守備のギアを上げ、大黒柱ケイド・カニングハムのドライブからジェイレン・デューレンが連続得点。さらにカニングハムのフローターを含む6-0のランによって抜け出し、そのままニックスの追い上げをなんとかしのいだ。

ピストンズのアサー・トンプソンは、ゴール下から確実に得点を重ね、フィールドゴール10本中8本成功。残り27秒にはリードを6点に広げる値千金のシュートを決めるなど、22得点7リバウンド2ブロックと攻守に渡って活躍した。

トンプソンは、このシリーズの過去4試合では初戦の10得点が最多得点とオフェンスが沈黙していたが、この試合では大暴れ。試合後には「自分たちのバスケットボールをやり続けるマインドセットだった。13敗であることは関係なく、ボールプッシュ、激しいディフェンスを続ける。それが自分たちのベストなんだ」と語った。

また、シュート成功率が示す効果的なプレーができた理由は、次のように説明。「ボールの動きと、ケイドがどこにいるのかを察知するようにした。そしてチームメートがたくさん助けてくれた」

プロ2年目、22歳の彼にとって、自身初のプレーオフ。「ものすごくフィジカルで、いつもなら取られるファウルも取られない」と、レギュラーシーズンとの違いを語るが、同時にこの変化を歓迎するたくましさを見せる。「僕は、こっちのほうが好きだよ。自分がファウルを取られない限りはね。これも試合の一部であり、しっかりとアジャストしないといけない」

チームで随一のプレーオフ経験を誇るベテランのトバイアス・ハリスは、「みんな追い込まれたメンタリティーになっているけど、このチームはみんなで一緒にいることが大好きなんだ。僕たちは今の状況を終わらせたくない。だから戦い続けるんだ」と、チームの結束力に自信を見せる。この一体感を武器に、ピストンズは残り2試合も勝ち切っての大逆転劇を目指していく。