『トレード拒否条項』を持つアンソニー放出は至難の業?
ここ何年も噂されてきたカーメロ・アンソニーの去就問題に、ようやく一つの結論が下された。
ニックスのバスケットボール部門代表を務めるフィル・ジャクソンは、今シーズン最後の会見でアンソニーをトレードする可能性があると認めた。
ジャクソンは「彼がコートに立ってプレーしていても、我々は勝てていない。彼が他のチームに行くほうが活躍できるというのが球団としての見解だ」とコメント。ジャクソンはすでにアンソニーと直接話をしたことも明かしている。
アンソニーの契約には『トレード拒否条項』が含まれているため、トレードを成立させるには本人に移籍の了承を取り付けなければならない。アンソニーが移籍先の条件に挙げているのは『優勝できるチーム』という1点のみ。
もちろん、これからプレーオフが始まり、6月下旬まで続くシーズンが終わってからの成立になるだろうが、アンソニー級の選手を放出するからには、ニックスが求める見返りも安くはない。単純に考えてもエース級あるいは成長著しい若手に、今後数年分のドラフト1巡目指名権を合わせる条件でなければジャクソンも応じないはず。
ジャクソンはアンソニー退団とともに生じる戦力ダウンについて「埋めるには大きすぎる穴」と形容した上で、「その穴を埋められるだけの選手を求めている」と語った。
ジャクソンの物言いは、6年半もの間チームのために尽くしてきたエースへの対応としては非情すぎると言われても仕方ない。ジャクソンが強豪チームにトレードを持ちかけても、混迷極めるニックスに行きたいと志願するエース級の選手はいないだろう。
だが、アンソニーを含むトレードに舵を切ることを公の場で認めてしまった以上、もう後戻りはできない。こうしたジャクソンの言動にクリスタプス・ポルジンギスも怒り、今シーズン最後のチームミーティングを欠席したという報道もある。
ジャクソンの会見後、アンソニー本人はInstagramに意味深な投稿をしている。
レオナルド・ディカプリオ主演映画『華麗なるギャッツビー』のワンシーンの画像に「Really」(へぇ)という文字に笑顔の絵文字を付けて投稿。『#StayMe7o』というハッシュタグが付けられていることから、本心は自分から発信することの表れとも受け取れる。
ニックスを取り巻く狂想曲の終焉は、まだまだ先になりそうだ。