課題のリバウンドを改善、横浜BCに80-71で快勝
3月19日、アルバルク東京は横浜ビー・コルセアーズとのホームゲームを80-71で制した。序盤から接戦が続くも第3クォーターに27-15のビッグクォーターを作り、終盤に追い上げられるも要所でディフェンスを引き締め、横浜BCの追撃を振り切った。
A東京は琉球ゴールデンキングスとの天皇杯決勝に敗れ、Bリーグ連覇以来5年ぶりのタイトル獲得を逃したが、この一戦に快勝して立ち直りの兆しを見せた。琉球との試合で敗因となったリバウンドで、今回はオフェンスリバウンドを1本しか許さなかったことに価値がある。
A東京のゴール下を支えるセバスチャン・サイズは、32分42秒出場で16得点8リバウンド2ブロック1スティールを記録。攻守に渡る活躍で勝利に貢献した。天皇杯で敗れた直後、天井を見上げて涙をこらえるサイズの姿は印象的だった。
「チャンピオンを決める試合で負けるのは辛い。普段の試合なら負けても次があるけど、決勝は違う。生きるか死ぬのかの戦いだ」
サイズは天皇杯決勝の敗戦をこう振り返るが、気持ちはすでに切り替えている。「素晴らしいプレーをした琉球に『おめでとう』と言いたいです。僕らはあと一歩でタイトルに届かなかったことから学ぶ。そうやって前に進んでいけば、良いことも起こるはずです。次は僕たちがチャンピオンになる番です」
この試合の勝利は、チームに勢いを取り戻すきっかけになるとサイズは語る。「どの試合でも僕たちはチームとしてステップアップできるように戦い、正しい道を歩んでいます」
「この思いにプライドを持っています」
プロ転向後のサイズは、スペインでの2チーム、サンロッカーズ渋谷、千葉ジェッツと4年連続で移籍を繰り返してきたが、A東京ではすでに在籍4シーズン目となる。タイトルを逃した場面での感情を抑えきれなかった様子と言い、サイズにとってA東京はキャリアにおける重要なチームとなっている。
そのA東京への感情についてサイズに聞くと、「このチームが好きです」との答えが返ってきた。「数年に渡って在籍していますが、残りのキャリアもここで過ごしたいと思います。ここは美しい場所だし、このチームは高い競争力を持って常に勝利を目指しており、日本のベストチームになりたがっている。僕はその目的のために加入し、この思いにプライドを持っています」
キャリアの選択肢は様々で、多くのチームを渡り歩くことで幅広い経験を得ることもできる。だが、サイズはA東京でずっとプレーし続けることを望んでいる。「僕はヨーロッパを代表するクラブ、レアル・マドリーから来ました。マドリーには、キャリアのほとんどをこのチームで過ごし、外国人でも6年、8年と在籍している選手たちがいました。それによってマドリーは欧州屈指のチームであり続けています」
「これこそ僕が求めているものです」とサイズは言う。「本当に強いチーム、優勝を狙えるチームを、チームメートやコーチ、フロントと一緒に毎年作り上げていく。それが僕がアルバルクにい続ける理由です」
「チームをもっと良くしていける自信を持っています」
サイズは30歳で、まだ現役生活は長い。スペイン代表経験もある彼は、望むならスペイン1部のチームでプレーすることも可能だろう。それでもBリーグで、A東京でのプレーを望むのは、自分が先駆者であることに誇りを持っているからだ。
「僕は日本で、アルバルクでキャリアを築いてきました。僕はヨーロッパからBリーグに来た最初の一人で、このリーグが発展していくビジョンがあったから日本に来たいと思いました。その日本のベストチームでプレーしたい。それが今、僕のやっていることです」
悔しい敗戦から気持ちを切り替え、今のA東京はBリーグ制覇に向けて前を向いた。サイズは「自信は失っていません」と、巻き返しへの自信を見せた。「僕たちは調子が良い時も悪い時も、常に全力を出し切ることのできるチームです。そして、チームをもっと良くしていける自信を持っています」