ステフィン・カリー

2974本の新記録樹立から3年「夢にも思わなかった」

ステフィン・カリーはキャリア通算3ポイントシュート4000本成功まであと2本で現地3月13日のキングス戦を迎えた。チェイス・センターの観客は偉業達成の瞬間を心待ちにしていたが、守備でハードワークするキングスは、目の前でその瞬間を迎えさせたくないと、カリーに徹底的なディフェンスを仕掛けた。

ウォリアーズのチームメートもそれを意識し、無理にカリーにボールを渡そうとしてリズムを悪くしていたのかもしれない。第1クォーター中盤にカリーは3ポイントシュートを1本決めたが、その後はなかなかチャンスを作れなかった。

カリーはこの展開を「キングスは僕をフェイスガードで守っていたし、トップロックも仕掛けてきて全く隙がなかった」と語る。「でも他のみんなが素晴らしいプレーをして、気が付けば20点以上のリードを築いていた。そこで集中が途切れてしまい、無理にチャンスを回そうとしたのかもしれないね。第2クォーターのラスト4分間はターンオーバー連発のひどい出来だった」

名手ドレイモンド・グリーンも、前半の最後にカリーに強引なパスを入れようとしてターンオーバーを記録している。「自分でも最悪のパスだったと思う。みんなステフの記録達成の瞬間を待ち望んで、上手くいかないからナーバスになっていたよ」

それでもカリーが「後半のどこかで決まると信じていたよ」と話した通り、第3クォーター残り8分半、ついにチャンスは訪れた。トップの位置でカリーに対してデマー・デローザンがプレッシャーを掛けてファンブルを誘うも、モーゼス・ムーディーがダイブしてボールを奪い返す。キングスの選手たちは速攻に走り始めており、ついにカリーにワイドオープンのチャンスを許してしまった。シュートブロックに来たトレイ・ライルズを軽やかなサイドステップでかわしたカリーは、4000本目の3ポイントシュートを沈めた。もちろん、スタンドの観客は総立ちで、アリーナは大歓声に包まれた。

カリーがレイ・アレンの2973本を抜いてNBAの3ポイントシュート成功数の新記録を樹立したのは2021年12月のこと。それから3年3カ月で4000本に到達した。カリーは「2974本でさえ現実とは思えなかった。4000本まで記録が伸びるなんて夢にも思わなかったよ」と言うが、この点ではスティーブ・カーの方が彼のことを理解しているのかもしれない。指揮官は自信満々でこう予言した。「ステフは自分の身体を鍛え、リズムをつかむ術を知っている。あと1000本は間違いなく決めるだろうね」

カリーはこの翌日に37歳の誕生日を迎え、今回の記録達成は最高の前祝いとなった。2日後にはニックス戦を控えているが、幸いにもホーム連戦の最中で、記録達成と誕生日を家族とともに祝うことができる。「明日は練習があるから、まずは練習に行って、あとは誕生日を家族と過ごすよ。今夜くらいは一杯やるつもりさ」とカリーは言い、こう続けた。

「自分の強さがどこから来たのか、なぜ自分がこの立場にいられるのか、その恩恵をどう生かすべきか。僕はそんなことを常に考えている。だから僕はいつも目的意識を持ち、自分の成長に向き合うことができるんだと思う。そして、人生で起きるすべてのことに感謝しているよ」