朝山正悟&寺嶋良

マカオでのファイナル4は3月7日に準決勝、9日に決勝

EASL(東アジアスーパーリーグ)に出場しているBリーグ勢の広島ドラゴンフライズと琉球ゴールデンキングスは、ともにグループリーグを5勝1敗の首位で通過した。残るはマカオで開催されるファイナル4で、3月7日に準決勝が、3月9日に3位決定戦と決勝が行われる。

昨シーズンのBリーグ王者としてEASLに参加している広島の朝山正悟ヘッドコーチは、若くて成長過程にあるチームにとって、この大会がさらなる飛躍のきっかけになると期待していた。Bリーグ前半戦はケガ人続出で苦戦が続いたが、ここに来てチームの調子は上がっており、このファイナル4にも自信を持って臨むことができる。

「いよいよここまで来ました。ファイナル4の準決勝をまずはしっかり戦うこと、またリーグ戦と並行して試合が行われるので、全員で良い準備をして臨みたい」と朝山ヘッドコーチは意気込む。

日本代表のアジアカップ予選に伴うリーグの中断期間を活用し、ファイナル4への準備は整った。「今シーズンはEASLもあって細かいところまで修正する時間がなかなか取れませんでしたが、今回は自分たちの強み、そうでないところをそれぞれ確認できました。選手たちのコンディションもかなり良いので楽しみです」

グループリーグでの経験、特に国際大会でのアウェーゲームを戦った経験は「チームの財産であり、何一つマイナスのことはないと思います」と言う。「練習環境や食事面も大変で、そこからすぐBリーグに戻っていくタフなスケジュールですが、そこも含めて選手たちが精神的に成長できました。他のチームより試合数が多い、しかもレベルの高い試合を経験していることをプラスにしていきたいです」

琉球ゴールデンキングスもファイナル4に駒を進めており、決勝でBリーグ勢同士の対戦、昨シーズンの日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-24の再現もあり得る。「当然、準決勝をしっかり戦うのが大前提ですが、Bリーグのレベルを証明するために、日本勢同士がファイナルで戦う意義は非常に大きいと思います。まずはそこへの切符を手に入れたい」と朝山ヘッドコーチは語った。

「このシーズンが始まる前からEASLのチャンピオンは一つの目標でした。あと2つ勝てばそこに手が届きます。そこへのモチベーションはみんなかなり持っているので楽しみです」

寺嶋良

「しっかりと自分の足でコートに立って優勝を」

シーズン前半の苦しい時期を脱して調子を上げる広島ドラゴンフライズの『今』を象徴するのが寺嶋良だ。右膝半月板損傷による長期戦線離脱から今年1月に復帰を果たし、試合を重ねるごとに調子を上げている。

EASLのグループステージでは1試合にしか出場していないが、だからこそ「新鮮な気持ちでプレーに臨めます。あと2勝で優勝なので、ワクワクしている気持ちが強いです」と寺嶋は語る。

優勝したいのは当然として、どんな形の優勝が寺嶋にとっての理想なのだろうか。そう問うと寺嶋は少し考えて「正直、優勝できればどんな形であっても僕としては本当にうれしいです。強いて言えばケガなく優勝できたら」と答えた。

「苦しい時間帯に僕とか控えメンバーが出て流れを変えなきゃいけない。そうやって自分が最後にコートに立って勝てれば良いと思っています」

長期戦線離脱の間にポイントガードでは中村拓人が台頭し、今の寺嶋はベンチスタートの立場だが、ケガをしたからこそ得られた視点を生かしてチームに貢献できると考えている。

「苦しい時間帯に、チームに何が足りなくて上手くいかないのかをベンチから見て学んできました。それをチームに還元したいです。苦しい時間帯に率先してコミュニケーションを取りながら、チームが少しでも長く勢いを保てるように、ポイントガードとしてコントロールしたいです」

「今シーズンのリーグ戦では広島ドラゴンフライズがどんなチームかまだ証明できていません。このEASLでしっかり優勝して、広島ドラゴンフライズが強くて良いチームだと証明したい」と寺嶋は言う。その目は、その先も見据えている。「このタイトルを獲得できれば、その勢いは必ずリーグにも繋がります。チーム一丸で優勝できるよう頑張っていきます」

昨シーズンのリーグ優勝はケガでコート内での貢献ができなかった。それだけに寺嶋のこのタイトルに懸ける思いは人一倍強い。「あの景色とはまたちょっと違うものになりますが、しっかりと自分の足でコートに立って優勝を勝ち取りたいです」