フォックスのトレード要求でチームを作り直すことに
キングスは西カンファレンスの9位争いとなったウォリアーズとの試合を落とし、28勝28敗と勝率5割に戻りました。ディアロン・フォックスを放出してザック・ラビーンを獲得するトレードから3勝4敗。残り26試合で勝率を上げられるのか、それとも下げてしまうのか。それはオフの動向を大きく左右しそうです。
キングスにとっては波乱万丈なシーズンになっています。デマー・デローザンを補強してオフェンス力を強化して迎えた開幕から6勝4敗とまずまずのスタートを切ったのですが、そこから苦しい試合が続くようになり、13勝19敗になった時点でヘッドコーチのマイク・ブラウンを解任しました。
この頃のキングスの問題はディフェンスとプレータイム配分にありました。黒星が先行するようになってマリーク・モンクをスターターとして起用するようになり、ディフェンス力が悪化しただけでなく、ベンチスコアリングが弱くなったことでスターターのプレータイムが長くなり、スタミナの問題から試合終盤に得点力が落ちてしまっていました。
ヘッドコーチがダグ・クリスティに交代すると10勝1敗と一気に盛り返しました。クリスティがトレーニングの強度を落として休養を重視したことで、この期間の4クォーターの得失点差が6.6と試合終盤のスタミナ問題が解消されたのです。順位も7位へと浮上し、このままプレーオフへ突き進むかと思われました。
ところが突如としてフォックスのトレードが現実味を帯びてきたことで、チームは崩れてました。長く続いた低迷期からキングスを浮上させた最大の功労者であり、戦術の中心だったフォックスがいなくなったことは、チームを作り直すことを意味します。加えて今シーズンにおける課題も大きくのしかかっており、プレーオフ進出には超えるべきハードルが大きそうです。
連携構築に課題、サボニスのアシストが伸びず
ヘッドコーチが交代してもスターターのプレータイムが長いことに変化はなく、ベンチの得点はリーグ29位とオフェンスのチームとしては苦しいものがあります。また、スピードあふれるドライブでペイントへ侵入して得点を奪うだけでなく、キックアウトパスで3ポイントシュートを生み出していたフォックスがいなくなったことで、控えビッグマンのトレイ・ライルズは特徴を生かせなくなってきています。
また、フォックスが放出されたことで増加するかと思われたドマンタス・サボニスのアシストが逆に減っていることも気がかりです。コンビネーションを生み出す能力が高いサボニスですが特殊なタイプだけに、シーズン途中から加わったラビーンとの連携が構築できておらず、ボールを持つ回数自体が減っています。サボニスの控えにもヨナス・バランチュナスが新たに加わったこともあり、早期に連携を構築しなければオフェンス面でも苦労しそうです。
ヘッドコーチ交代での浮き沈み、エースのトレードによる戦術の見直しと、大きな変化が続いている今シーズンのキングスですが、若いチームというわけでもなく、オフには再び再建へと舵を切る可能性もあります。残り26試合で連携を構築し、プレーオフへと進めるのか。激動のシーズンがどのように決着するのかは楽しみでも怖くもあります。
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— Sacramento Kings (@SacramentoKings) February 22, 2025