「私は批判を無視する人間ではない」

NBAオールスターで行われたNBAコミッショナー、アダム・シルバーの会見で、彼は今のNBAに対する批評に反応した。近年のNBAが3ポイントシュートばかりでつまらない、視聴率低下を招いているという意見が出ており、これを黙殺するのは簡単だが、彼はあえてこの話題に触れた。

「私は批判をすべて読もうとしているし、リーグオフィスで集約してもいる。率直に言えばゲームは素晴らしいと思う。それでも批判が出るのは、それはメディアやファンがその役割を適切に果たしているからで、我々はその意見を参考にする。私は批判を無視する人間ではない」

視聴率低下の要因が3ポイントシュートの過度な多投であり、激しいぶつかり合いの減少が試合への興味を削いでいるという意見に対してシルバーは「25年ほど前は、多くの人がNBAの試合はフィジカルすぎる、ダンクに依存していてスキルが軽視されていると言われていたものだ」と語る。

「3ポイントシュート革命はウォリアーズとステフィン・カリーによって行われた。3ポイントシュートが多すぎるかと言われれば『そうかもしれない』と答えるが、『そんな試合は面白い?』と問われれば私の答えは『イエス』だ。試合を面白くするために3ポイントシュートを減らすべきなのか。そうは思わない」

「この仕事に長く携わるうちに、私は過剰反応しないことを学んだよ」とシルバーは言うが、それでも、様々な立場からの様々な意見に耳を傾ける姿勢がNBAに新たな魅力をもたらしてきた。

「この数年の変更点であるプレーイン・トーナメントやNBAカップは我々が考え出したアイデアではなく、外部の意見を取り入れたものだ。他のリーグの取り組みを学んだり、メディアのアイデアを読んだりしながら、自分たちに合うよう微調整を加えて実現してきた。リーグの協議委員会では常に試合をより魅力的にする方法を話し合い、その方法があれば実現のために全力を尽くしてきたつもりだ。私はNBAの試合を常にアップデートし続ける、この挑戦を愛している」

今回のNBAオールスターでは様々な新たな取り組みが導入された。オールスター本戦をセミファイナルからの2試合に分け、オールスター選出選手から3チームを作り、ライジングスターズの優勝チームを加えた4チームで争う方式も、アダム・シルバーとリーグの意向が色濃く反映された新機軸だと言える。

ドレイモンド・グリーンはライジングスターズの参加に「彼らはオールスターのコートに立つ資格がない」と批判的だった。ただ、変化を求めれば異論反論が出るのは避けられない。アダム・シルバーはオールスターのアップデートに意欲的な姿勢を見せ、リーグ全体でそれを続けていくつもりだ。