ダルトン・コネクト&キャム・レディッシュとトレード
ルカ・ドンチッチの獲得で世界中を驚かせたレイカーズが、さらなる戦力補強を行った。ダルトン・コネクトとキャム・レディッシュ、そして最後に残った2031年の1巡目指名権を使って、ホーネッツからマーク・ウィリアムズを獲得した。
23歳のウィリアムズは運動能力に長けた213cmのセンターで、NBAキャリアの3シーズンを通して相次ぐケガに見舞われている。ルーキーイヤーから即戦力として起用されたものの、腰の痛みで43試合にしか出場できず。2年目はさらにひどく、オフの間に足を痛めてトレーニングキャンプから出遅れ、開幕には間に合ったものの19試合に出場しただけで再び戦線離脱。このケガが今シーズンまで長引き、開幕から1カ月半が経過した12月からようやくコンスタントにプレーできるようになった。
それでも復帰後は平均16.0得点、9.8リバウンドを記録。同じセンターで出場時間をシェアしていたニック・リチャーズがサンズに放出された1月中旬以降のスタッツは19.6得点、11.6リバウンドへと上昇している。
レイカーズにとってスタッツ以上に魅力的なのは、ウィリアムズがオンボールでプレーするタイプではなく、スクリーンやスペースメイキング、リバウンドなど泥臭い仕事に汗をかき、スタープレーヤーを輝かせるタイプであることだ。その上、いまだルーキー契約の途中でサラリーも安い。コンディションに懸念はあるものの、ドンチッチ獲得を決めた時点でロブ・ペリンカGMが「センターは必要だが、人材がいない」と語っていた状況で、チームに必要なタレントを見つけ出したと言うべきだろう。
若くて粗削りなウィリアムズに、アンソニー・デイビスのような多彩さは期待できない。勝利のプレッシャーがかかる状況を経験しておらず、連敗となればすぐさま戦犯探しが始まるレイカーズではメンタルの強さも問われる。これまでとは違ってプレータイムが長くなれば、ファウル数を頭に入れながら時には力をセーブするバスケIQも求められる。今はまだ足りないところだらけだが、そこも含めて伸びしろ。そもそも彼は『レブロンのレイカーズ』ではなく『ドンチッチのレイカーズ』にタイムラインが合う選手だ。
一方、ホーネッツに加わるコネクトは1巡目17位指名のルーキーで、シーズン序盤にシューターとして鮮烈なデビューを飾ったが、その後は数多くの試合をこなす中で高いレベルをキープするのに苦労し、特にディフェンス面で苦戦していた。再建チームへの移籍は『都落ち』の感もあるが、経験を積んで成長するにはホーネッツは良い環境となるはずだ。
キャム・レディッシュは昨シーズンにベテラン最低保証額で加わったレイカーズでの1年半も評価を確立できず、キャリア6年目でホーネッツが5つ目のチームと流浪の旅が続く。ロールプレーヤーとして高い能力を持ってはいるが、ホーネッツでどれだけ評価され、チーム構想のどの位置に置かれるかは今のところ未知数だ。