粘り強いディフェンスと勝負強いシュート力でWNBA挑戦
WNBAのダラス・ウィングスは山本麻衣とトレーニングキャンプ契約を締結したことを発表した。
広島県出身、現在25歳の山本は桜花学園を経て、2017-18シーズンからトヨタ自動車アンテロープスでプレーしている。2024-25シーズンはここまで14試合に出場し、11.7得点、2.9リバウンド、2.5アシストを記録。身長163cmとサイズはないが、卓越したハンドリングとボディコントロール、一瞬のスピードといった武器を組み合わせて違いを作り出すポイントガードだ。
高校からすぐWリーグに進み、最初は順応に手間取ったものの、最初にそのポテンシャルを最大限に発揮したのは3人制バスケの3×3だった。3×3日本代表として2019年のU23ワールドカップで優勝し、日本バスケ界に初の金メダルをもたらす原動力に。そのまま3×3日本代表の主力として予選を勝ち抜いて東京オリンピックに出場。小さくても世界を相手に戦える力を示した。
東京オリンピックが終わると5人制の日本代表に移り、2024年のパリオリンピック最終予選では、日本のパリオリンピック出場権獲得に大きく貢献するとともに大会MVPにも選ばれている。それと並行してアンテロープスでも主力の地位を確立した。
日本人選手の海外挑戦で常に課題となるフィジカルの部分は、当たりの激しい3×3でも穴にならないレベルへと鍛え上げ、粘り強いディフェンスと勝負強いシュート力で世界と戦う準備はできている。
ENEOSサンフラワーズの渡嘉敷来夢、富士通レッドウェーブの町田瑠唯がそうだったように、WNBA挑戦はスケジュールが厳しく心身ともに負担は大きいが、日本の女子の中でも抜群のフィジカルを誇る山本がWNBAのトレーニングキャンプでどれだけ爪痕を残せるのか。その実力を存分にアピールし、正式契約を勝ち取ってもらいたい。