ラプターズ

ブラウンはバイアウトで上位チームの『秘密兵器』に?

ラプターズはシーズン折り返し地点で10勝32敗と勝てておらず、ここから2月のトレードデッドラインまでに将来に向けたチームの再編として、ケリー・オリニクやブルース・ブラウンといったベテランを放出するつもりだ。

オリニクは背中のケガにより開幕から1カ月半は欠場していたが、12月の復帰から試合を重ねる中でコンディションの不安を払拭した。昨シーズン途中にジャズからラプターズへのトレードが決まった時は、カナダ代表のキャプテンとして母国でプレーすることに強いモチベーションを抱いていたが、彼にとってもラプターズにとっても残念なことに33歳では再建のタイムラインに合わない。

1350万ドル(約20億円)の契約が来シーズンまで残っているが、今シーズンの3ポイントシュート成功率が45.2%で攻守に堅実に働くパワーフォワードのバックアップとして、オリニクのニーズはありそうだ。

もう一人、去就が注目されるのは28歳のブルース・ブラウンだ。2022-23シーズンのナゲッツ優勝にシックスマンとして大きな貢献をしたブラウンだが、ナゲッツには彼を抱えておくサラリーキャップの余裕がなく、ペイサーズと2年4500万ドル(約68億円)の契約を結び、パスカル・シアカムのトレード要員としてラプターズに移籍した。

オフに膝の手術をした影響で、今シーズンは年末にようやく初出場を果たしたところ。トレードで加入した時点でラプターズの長期構想に入っていたとは言えず、今もベンチスタートで限られた役割しか与えられていない。今シーズン限りで契約満了を迎えるため、ラプターズは今のタイミングでのブラウン放出に積極的と見られる。

ブラウンはまだ若く、この2年間引きずっている膝の問題が解消しているのであれば戦力として大いに期待できる。今シーズン2300万ドル(約35億円)のサラリーを負担し、数カ月後にやって来る契約延長交渉にも前向きなチームにとっては魅力的な戦力だ。

ただ、シビアに見れば上位チームは揃ってサラリーキャップに余裕がなく、再建チームにとって28歳のブラウンは若いとは言えない。トレードデッドラインまでに移籍が決まらない場合、ラプターズは契約バイアウトも考えているようだ。そうなれば今シーズン後半戦、ブラウンはベテラン最低保証額で上位チームに加わる可能性が高く、プレーオフでも勝負強さを発揮できるベンチからの得点源として、一躍注目株となりそうだ。