クレイ・トンプソン

写真=Getty Images

ロケッツとの対戦は『事実上の決勝』に?

クレイ・トンプソンの脳裏には、31点リードから大逆転を許して敗れたクリッパーズとのファーストラウンド第2戦の記憶がまだ残っている。それと同時に、順調に勝ち上がればカンファレンス・セミファイナルでの激突が濃厚なロケッツに意識が向いてもいる。

4月21日に敵地ステイプルズ・センターで行われたクリッパーズとのファーストラウンド第4戦、ウォリアーズはトンプソンが前半だけで27得点、試合を通じて32得点の活躍でオフェンスを引っ張り、113-105で勝利。シリーズ突破に王手をかけた。

この日は現地の日曜開催ということもあって、午後12時30分からの試合開始となっていた。このため、ウォリアーズは当初午前11時からの練習を予定していたのだが、選手たちの考えにより、これを9時に前倒した。

選手たちに十分な睡眠を取らせるためのスケジュールから、試合への準備をより重視するスケジュールに。トンプソンは「朝は弱いんだよ。高校時代を思い出した」と冗談で報道陣を笑わせたが、それはクリッパーズ相手にもう不覚を取らないという決意の表れだ。

「ロケッツは3連勝しているから、このシリーズを長引かせたくない」と表情を引き締めたトンプソンは言う。「プレーオフの試合は消耗戦だ。すでに一つ落としている。今日は出だしからフルスロットルで、相手に試合の流れを渡さないつもりだった。第2戦のようなことは、もう起こらない。僕はそう思っている」

この手のトーナメントでは『事実上の決勝』というカードがしばしば出てくるが、ウォリアーズとロケッツの対戦はその雰囲気を持つカードになる。昨シーズンのカンファレンス・ファイナルで対戦した両チームは、第7戦にまでもつれる熱戦を繰り広げた。この時は実力伯仲、第5戦でクリス・ポールが負傷離脱してロケッツが失速しただけに、彼らはリベンジに燃えている。

クリッパーズとのシリーズに話を戻すと、第2戦の逆転負けは王者ウォリアーズにとって恥ずべき失態。それでも目を覚ます効果は十分すぎるほどあった。敵地で連勝した勢いのままホームに戻り、第5戦でクリッパーズとのシリーズを終わらせるつもりだ。ロケッツを精神的優位に立たせるわけにはいかない。そんな心理戦はもう始まっている。