準決勝で35得点、決勝で37得点の大活躍

18日、Jr.ウインターカップの男子決勝が行われ、RIZINGS徳島67-65で琉球ゴールデンキングスU15に競り勝ち、初の日本一に輝いた。

試合は互角の立ち上がりとなったが、第2クォーターに入ると琉球U15がチームの掲げる激しいディフェンスからの超高速バスケで突き放し、28-36とリードして前半を終える。しかし、後半に入ると徳島が反撃を開始。琉球U15のトランジションを防ぐと、効果的にアウトサイドシュートを沈め、第3クォーターで27-16とビッグクォーターを作り出して逆転に成功する。

そのまま第4クォーターは一進一退の攻防が続くが、徳島は共に20得点以上を挙げた平岡泰介、岩朝ローマの2枚看板がここ一番で得点を挙げ、残り1分を切って3点のリードを獲得。琉球U15は残り8秒、徳島が犯したマンツーマンペナルティのテクニカルファウルで得たフリースローを決め2点差に詰め寄ったが、終了間際にエースの越圭司が放ったシュートが外れ、徳島が激闘を制した。

決まれば同点となるシュートを惜しくも外した越だったが、この試合では37得点を記録。3ポイントシュート8本成功による35得点を挙げ、優勝候補の筆頭、四日市メリノール学院中を80-63で撃破した前日の準決勝に続く活躍を見せた。メリノール中の白谷柱誠ジャックが準決勝、3位決定戦と2試合連続で50得点超えという異次元の大暴れを見せたことでインパクトが薄れてしまったが、越の2試合連続35得点以上も十分に傑出したパフォーマンスだった。

越は身長163cmとサイズはないが、この不利を補って余りあるクイックネスと優れたボールハンドリングで次々と相手ディフェンスを突破。さらに爆発力のある3ポイントシュートも魅力で、大会随一のスコアリングガードとして琉球U15を過去最高成績へと導いた。

今大会の越のプレーは大きな賞賛に値するものだが、優勝を逃したことで本人には反省しかない。「初戦からタフな試合が続きましたが、目標に掲げていた優勝を取れなかったのは本当に悔しいです。ここ一番で自分が決めてやる、という思い一筋でプレーしてきましたが、最後に外してしまったのは自分の練習不足、努力不足だと思います」

このように越は、決まれば同点となるラストショットを外してしまったことを責め続けた。「大事な場面のシュートを外したらエースではないです。これからエースとして活躍するためには、もっと勝負強さが大事です」

「練習前、必ず河村選手のプレーを見ます」

今大会の越は、将来トップカテゴリーで活躍できる大きな可能性の持ち主であることをしっかりと証明した。「世界で活躍する選手になりたいので、いつかアメリカには絶対に行きたいです」と目標を掲げ、「得点も取れるガード、コミュニケーションをしっかり取れるガードにもっとなりたいと思います」と続ける。

また、越のプレーを見ると、クロスオーバーなどの巧みなテクニックと俊敏さでマッチアップ相手のバランスを崩し、ステップバックスリーを決めるなど、河村勇輝を彷彿とさせる動きが印象的だった。この点について聞くと「理想としているのは河村選手です。練習前、必ず河村選手のプレーを見ます。今日の試合前も見ていました。イメージトレーニングは大事だと思っているので、その部分が試合で出たのかと思います」と実際に河村の動きを参考にしていると教えてくれた。

大きな衝撃を与えた今大会だが、越は「達成感はまったくないです」と締めくくる。大きな後悔と悔しさで終えた越だが、3月末にはBリーグU15チャンピオンシップという雪辱のチャンスがある。

「準優勝で終わり、(Jr.ウインターカップとU15チャンピオンシップの)二冠を達成できずに申し訳ない気持ちでいっぱいです。その分、3月にしっかりと優勝して恩返しできるように、ここから2カ月間、生活面から考え直して頑張っていきたいです」

この悔しさを糧に、越がさらなる進化を遂げ、3月末の中学最後の大会でどんなパフォーマンスを見せてくるのか見逃せない。