OG・アヌノビーのディフェンスから試合の流れが一変
ビクター・ウェンバニャマが初めてのクリスマスゲームで42得点を奪い、注目を集める試合で結果を残すメンタリティの強さを見せました。これに対してリーグトップの13.9リバウンドを記録するカール・アンソニー・タウンズもフィジカルなインサイドアタックで対抗しましたが、いつもの悪い癖で熱くなって余計なファウルが続き、ファウルトラブルに。これで万事休すかと思われましたが、本当のドラマはそこから始まります。
5点ビハインドで始まった第4クォーターに、スパーズはクリス・ポールとトレ・ジョーンズという2人のポイントガードを並べ、ペースアップすることでニックスディフェンスを攻略します。早く攻めることでマッチアップミスを作り、ウェンバニャマの押し込みとコーナーからの3ポイントシュートで逆転し、残り7分には102-94と8点リードに持っていきます。
しかし、タウンズがベンチに下がるとウェンバニャマのマークがOG・アヌノビーに代わり、そこから試合終了まで無得点に抑え込まれてしまいます。ボールマンすらも見ないでウェンバニャマだけに集中するアヌノビーのディフェンスは、徹底してペイント内でポジションを取らせず、試合の空気を一変させました。
また、スパーズのペースアップは、スターターのプレータイムが長いニックスを疲弊させる狙いもあったはずですが、タフすぎるジョシュ・ハートとミケル・ブリッジスには何の影響もありませんでした。運動量豊富なオフボールムーブでフリーになったブリッジスが第4クォーターだけで3本の3ポイントシュートを含む15得点を奪い逆転に成功すると、3点リードの残り39秒から時間をしっかりと使ったシュートが外れた後、ハートが2つのオフェンスリバウンドを奪ってスパーズにオフェンス機会を与えずに試合を終わらせました。
注目度の高いクリスマスゲームで活躍したウェンバニャマに対して、タウンズのファウルトラブルだけでなく、ジェイレン・ブランソンはジェレミー・ソーハンのマークに苦しみ、フィールドゴール成功率30%に終わりました。それでもブリッジスが41得点、ハートは12リバウンドとチームとしてのタフさでニックスが接戦を制しています。