崖っぷちの2ウェイ契約選手がキャリア初先発で大活躍
現地12月23日、マジックはホームでセルティックスと対戦し、ルーキーのトリスタン・ダ・シルバやトレベリン・クイーンといった『脇役』のステップアップにより108-104と競り勝った。これでマジックは今シーズン19勝目(12敗)を挙げている。
マジックは第1クォーターで21-32と出遅れると、悪い流れを引きずり前半で15点のビハインドを背負う。しかし、第3クォーターに入ると伏兵クイーンの活躍から反撃に転じ、79-79と追いつく。そして第4クォーター、マジックは持ち味のボールシェアを徹底したチームオフェンスで得点を重ね、残り4分にダ・シルバの3ポイントシュートで10点リードと突き放す。その後、セルティックスの反撃を浴び残り1分で1点差に詰め寄られたが、残り9秒に再びダ・シルバが長距離砲を沈め熱戦に終止符を打った。
この試合、クラッチシュートを含む18得点のダ・シルバと同等の貢献度を見せたのが、17得点3アシスト3スティールのクイーンだ。27歳の彼は、昨シーズンまでのキャリア通算がロケッツ、ペイサーズ、マジックを渡り歩いての計31試合のみ。7月にマジックと2ウェイ契約で残留したが、今シーズンも前日まで4試合出場、平均6.3分、2.5得点と全く結果を残せていなかった。
それが今回、キャリア初の先発に抜擢されると、第3クォーターだけで10得点を挙げ、逆襲のきっかけとなる大活躍を見せた。自己ベストのプレーを見せたクイーンは「活躍するためのメンタル面の準備はいつだってできていた」と語る。
そして、今回のハイパフォーマンスは、自分自身を信じる気持ちとチームメートの信頼がもたらしたものだと続ける。「ずっとチャンスは来ると信じていた。自分の力を信じていたし、チームメートが声を掛けてくれて、僕が必要としていた自信を与えてくれた」
現在、マジックはパオロ・バンケロ、フランツ・バグナーの2大エースが故障で離脱中。さらに前回の試合で、シックスマンとして大きな貢献を果たしていたフランツの兄モリッツ・バグナーが残りシーズン絶望の重傷と満身創痍の状況だ。中心選手の相次ぐケガは、残った選手たちにとって精神面で大きなショックだ。
ここでセルティックスに良いところなく敗れた場合、チームのムードは一気に悪化していただろうが、この逆境を持ち味の結束力で乗り越えた。ジェレン・サッグスが、「これ以上ない形で、僕たちはクリスマスを迎えることができる」と語ったように、チームに大きな自信を与える価値ある1勝となった。