守備の不安を指摘する声には「イライラする」
セルティックスは現地15日、ウィザーズに112-98と危なげない勝利を収めた。昨シーズン、2008年以来のNBA王者となったセルティックスは、今シーズンもここまで21勝5敗と連覇に向けて順調な歩みを見せている。
セルティックスの好調をけん引している1人が、昨シーズンの1試合平均9.6得点からここまで26試合出場で平均16.5得点へと大きな飛躍を遂げたペイトン・プリチャードだ。特に3ポイントシュートは試投数を平均4.7本から8.9本と大きく増やした上で、成功率も38.5%から43.5%と向上。成功数でアンソニー・エドワーズに次ぐリーグ2位を記録し、リーグ屈指のシューターとしてその名を轟かせている。
振り返れば2023年10月末、プリチャードがルーキー契約からの継続で4年総額3000万ドル(約46億円)の契約延長に合意したときには、疑問の意見も大きかった。これは2022-23シーズンの彼が48試合出場で平均5.6得点に終わったからだが、今となってはお買い得契約だったと評価は一変。現在のハイパフォーマンスによって、プリチャードは今シーズンのシックスマン賞の最有力候補と目されている。
このように各方面から大きな賞賛を受けているプリチャードだが、現状には満足していない。15得点11リバウンド6アシストと攻守で活躍したウィザーズ戦の試合後、プリチャードは「僕は本当に2ウェイ選手として知られたいんだ」と語った。
プリチャードのこの発言は、彼がオフェンス面を高く評価される一方で、185cmとサイズ不足かつ身体能力もNBAレベルでは並であることによるディフェンス面を懸念されがちなことに起因している。また、セルティックスの先発ガードがドリュー・ホリデー、そしてデリック・ホワイトとリーグ屈指の守備力を誇っていることも影響しているだろう。
「時々、僕の守備面における信頼性を指摘する意見を目にするけど、それにはイライラする。毎試合、僕はその見方が間違っていることを証明しようとしている。完璧な2ウェイプレーヤーになることを僕は常に目指している。そして一流のオンボールプレーヤーであり、オフェンシブプレーヤーと言われることが大きな目標だ」
このような現状に甘んじない姿勢で、プリチャードがさらなるステップアップを果たすことができれば、セルティックスの強さはより盤石のものとなるだろう。