ヤニス・アデトクンボ

アデトクンボとリラードが力強くオフェンスを牽引

NBAカップのイースト準決勝はバックスvsホークスとなりました。リーグの成績は6位と7位で中位にいる両チームが、NBAカップではアップセットを繰り返してきましたが、その行程は少し異なります。

バックスは開幕から2勝8敗と不調が続きましたが、NBAカップ初戦となったラプターズ戦で3勝目を上げると、そこから9勝1敗と一気に盛り返しました。この期間にペイサーズ、ヒート、ピストンズとのグループリーグ3試合も含まれており、まさにNBAカップに合わせて調子を上げてきた形です。その後に連敗がありましたが、トーナメント初戦のマジック戦はヤニス・アデトクンボが37得点、デイミアン・リラードが28得点と活躍して勝利しました。それでもパオロ・バンケロとフランツ・バグナーが揃って欠場していたことに助けられた一面もあり、対戦相手、日程ともに恵まれていました。

バックス復調の要因は3ポイントシュートの好調さにあり、直近10試合はチームで44%の成功率を誇っています。ただし、単にシュート力が目立ったのではなく、得点王レースのトップを走るアデトクンボがペイント内で暴れ回り、ヘルプディフェンスが寄ってきてのパスアウトから3ポイントシュートへと繋げています。

ホークスのディフェンスからするとアデトクンボを止めることを優先し、3ポイントシュートは許容するか、それともアウトサイドのマークは崩さず、アデトクンポを1on1で止めに行くことを目指すのか、ゲームプランによってバックスの得点バランスは大きく変わってきます。直近の対戦ではアデトクンボに26本ものフリースローを与えて31点を奪われたものの、バックスを104得点に抑えて勝っており、ファウル覚悟でフィジカルなディフェンスをしてきそうです。

ジェイレン・ジョンソン

ジェイレン・ジョンソンの攻守の働きがカギに

そのホークスはセルティックスとキャバリアーズというイーストのトップ2と同じグループに入りながら、両チームに競り勝って決勝トーナメントに進み、イースト4位のニックスを下して準決勝の舞台へ上がってきました。強豪との試合ばかりが続く中でアップセットを繰り返してきたのは、相手が強い方が自分たちも強くなる『ホークスらしさ』に溢れています。

ケガ人が戻って来てからのホークスはベンチから出てくるボグダン・ボグダノビッチ、ディアンドレ・ハンター、オニエカ・オコングの3人が好調で、ニックス戦は3人で43得点を挙げたことが勝利のキーポイントになりました。アシストでリーグトップのトレイ・ヤングが自ら点を取りに行くよりもチームメートへパスを供給する方が、オフェンスが上手く回っています。

そして今シーズンは4年目のジェイレン・ジョンソンが19.8得点、10.1リバウンドに加え、5.6アシストでチームの中核として台頭してきました。準決勝ではアデトクンボと直接マッチアップする機会が増えることが予想され、ディフェンス面で奮闘しながらも、オフェンスでもチームを牽引する活躍が求められます。

層が厚さを生かしたバランスアタックをしてくるホークスは、直近の試合が7勝1敗と好調です。バックスからするとバランスアタックをさせないために、マンマークの意識を高く保ってヤングを孤立させることが重要です。ヤングに得点を取られるのを許容し、代わりにアシストをさせない守り方で司令塔のリズムを狂わせたいところです。

次々に強豪を倒してきたホークスと、NBAカップの日程に合わせるかのように調子を上げてきたバックス。一発勝負のトーナメントならではの組み合わせは両チームのディフェンスプランによって展開が大きく変わってきそうです。