ジャマール・マレー

写真=Getty Images

指揮官は第4クォーターに爆発したマレーを称賛

ナゲッツvsスパーズのプレーオフファーストラウンド第2戦。

スパーズにリードを二桁に広げられた第3クォーター中盤、ナゲッツの指揮官マイケル・マローンはタイムアウトを要求した。選手たちが不安そうな表情を見せた中、マローンは前日プレーオフ史上最大となる31点差からウォリアーズを下したクリッパーズを例に挙げ、選手たちの士気を上げた。

「第3クォーターにリードを広げられてタイムアウトを取った時、選手たちには昨日のクリッパーズのケースを思い出させた。自分たちの力を信じ、力を尽くし、戦えばやれることを伝えた」と、試合後の会見でマローンが語ったように、ナゲッツは第4クォーターを39-23で圧倒し、最大で19点のビハインドを(59-78)覆した。114-105で勝利し、シリーズを1勝1敗のタイに戻した。

マローンは、第3クォーター終了時点で3得点と苦しみながらも、第4クォーターだけで21得点を決めたジャマール・マレーを称賛した。「彼には今日のような試合が必要だった。3年目の若手が、苦しみながらも正しいプレーをしようとしているのだから、私が彼を信頼しているところを示す必要があった。もし私が彼をベンチに下げたら、彼は『コーチは自分を信頼してくれているのだろうか?』と動揺してしまう。ミスしても構わない。彼は大事な選手で、私は彼のことを気にかけている。今日は大きな困難を乗り越えてくれた。彼をラインナップから外すことなんて、考えたこともない」

スパーズの名将グレッグ・ポポビッチも「第4クォーターに39点も取られたら、それでおしまいだ」と、潔く負けを認めた。

クリッパーズの大逆転劇は、どれだけ劣勢になっても逆転できることを示した。レギュラーシーズンの順位では、西カンファレンスを2位で終えたナゲッツが格上の立場だが、短期決戦ではシリーズの流れを掴むことが何よりも重要だ。もし連敗を喫していたら、ナゲッツは厳しい状況に追いやられるところだった。

指揮官の期待に応えた選手たちの努力もさることながら、モチベーターとしてのマローンの手腕も、称賛されるべき試合だった。