ホークスは6連勝も「今の課題は満足しないこと」
レイカーズは2日前のヒート戦で、指揮官JJ・レディックが「正しいプロ意識を持っているとは思えない戦いぶりだった」と評する41点差の大敗を喫し、選手たちは雪辱を誓っていた。
そうして迎えたホークス戦、レブロン・ジェームズが39得点10リバウンド11アシスト、アンソニー・デイビスが38得点10リバウンド8アシストと獅子奮迅の活躍を見せる。しかし、延長にもつれたゲームを制したのはホークスであり、この試合の主役は31得点20アシストのトレイ・ヤングだった。
第3クォーター序盤にダルトン・コネクトと八村塁の連続3ポイントシュート、コネクトのレイアップを挟んでレブロンの3ポイントシュート、ゲイブ・ビンセントの得点と13-0のランでレイカーズが突き放した以外は、常に接戦の試合展開だった。
延長の残り42秒、デイビスがフリースローライン付近でのステップバックジャンパーを決めてレイカーズが132-129とリードを広げる。ジェイレン・ジョンソンのフリースロー2本が決まって132-131となった後、スティールから速攻に走ったダイソン・ダニエルズに対し、追いかけたレブロンがチェイスダウンブロックを決めた。さらに一度はレブロンがボールを叩き出したとされた判定は、チャレンジの成功で覆ってレイカーズのポゼッションになった。
クラッチブロックにレブロンが自信を持って要求したチャレンジの成功で、レイカーズの勝利は決まったかに見えた。しかし、ここでデイビスがターンオーバーを犯してホークスに最後のチャンスを与えてしまう。ここから試合は急展開を見せる。
ホークスがボールを託すのは、もちろんトレイ・ヤングだ。一番怖い相手からボールを離させようとデイビスとビンセントがプレッシャーを掛け、ディアンドレ・ハンターにパスを出させるも、ここで2人ともハンターに寄ってヤングを空けてしまう。ヤングがこのチャンスを逃すはずもなく、迷わず放った3ポイントシュートを沈めて両腕を抱える『アイス』のパフォーマンスを見せる。こうしてホークスが134-132の逆転勝利を飾った。
試合後の会見で、ゲームウィナーの感想を求められたヤングは「まず話すべきはディアンドレの出来だ。僕が何を言いたいか分かるかい?」とうれしそうに笑った。ハンターは最後にヤングにパスを出した選手であり、この試合ではベンチからの出場で3ポイントシュート5本成功を含む26得点を挙げている。
「いつだって万全の準備をして、コートに立てばベストを尽くす。最近の彼のプレーは本当に素晴らしいものだし、今日もそうだった。今日の最後のプレーだって、彼が打っても良かったんだ。でもディフェンスは彼に脅威を感じて2人とも彼に向かった。それをちゃんと見てパスを出した。それが正しいプレーであり、勝利への道だった。彼のお手柄だよ」
それと同時に、最後のチャンスが回って来た時に迷わず打ちきる自信がヤングにはある。「試合の序盤に同じような位置から狙った3ポイントシュートは外してしまった。でも、僕は長年このシュートを打ち続けている。何試合か調子が悪く、何本か決まらなかったと言って、打つことを躊躇したりはしないよ」
これでホークスは6連勝。リーグで最も調子の良いキャバリアーズを2度も破り、復調したバックスを倒し、前の試合の雪辱に燃えるレイカーズも打ち倒した。「全員がゲームプランを理解して遂行しているのが連勝の理由だ」とヤングは言うが、その表情にもう笑みはない。
「今の課題は満足しないこと。ウチは若いチームで、何試合かに勝って満足してしまいがちだけど、でも本当に僕らが目指すのはもっと別の姿だからね」