ラメロ・ボール

「攻撃でも守備でも役に立つ選手になれるよう努力」

ホーネッツは8シーズン連続でプレーオフから遠ざかっている。2021-22シーズンは43勝を挙げて勝率5割を上回り、若いチームはそのままプレーオフ常連チームに成長するかと思われたが、その後の2年も低迷が続いた。直近の2シーズン、エースのラメロ・ボールは相次ぐケガに見舞われて58試合にしか出場していない。昨シーズンはラメロが戦線離脱となった1月末の時点でチームは勝つことをあきらめ、2月のトレードデッドラインまでに主力のテリー・ロジアーやPJ・ワシントンを放出した。

今シーズンは新たな指揮官にチャールズ・リーを迎え、チームは再出発を切る。「ゼロからのスタートだけど、スタートできることをうれしく思う」とラメロは言う。右足首のケガはすでに完治し、サポーターは着けているものの「何の問題もなくプレーできている」とのこと。

実際、プレシーズンゲーム初戦のニックス戦では19分で18得点4リバウンド7アシスト、続くヒート戦では23分で24得点6リバウンド4アシストと、短い時間であっても素晴らしいプレーでオフェンスを引っ張っている。43勝を挙げたシーズンはラメロが75試合に出場していた。ホーネッツ浮上のキーマンは間違いなくラメロで、彼がシーズンを通して安定してオフェンスを牽引できれば、チームは結果を残せるだろう。

それは彼も理解していて、今シーズンに何を望むかと問われて「良いコンディションをキープしてコートに立ち続けること。コンディションさえ良ければ話題になるのは間違いないと思っている」と答えている。

ラメロはオフェンスで持ち味を発揮する選手だが、指揮官チャールズ・リーはディフェンスの貢献も求めており、ラメロもそれを受け入れている。「コーチの要求には何であれ応えるつもりだ」と彼は言う。

「攻撃でも守備でも役に立つ選手になれるよう努力している。それは今だけじゃなく、今後ずっとこのチームのためにそうでありたいと思う。だから今はディフェンスに集中するんだ」

その言葉はプレシーズンゲーム初戦、ニックスのジェイレン・ブランソンに食らい付くディフェンスに表れた。激しくプレッシャーをかけ、スクリーンをかいくぐり、ブランソンにパスを入れさせない。足首の状態が良いからこそ攻撃だけでなく守備でもハードワークが可能なのだろう。

チャールズ・リーはラメロに守備を求めるだけでなく、チーム全体に「プレシーズンゲームをプレシーズンゲームと思わないように」と指示している。成長を主題に置く若いチームにとって、公式戦もプレシーズンゲームもアプローチは変わらない。チームとして、選手個々として成長する機会を一つも無駄にせず活用することを指揮官は望んでおり、ラメロはそれに応える姿勢を率先して見せている。

アクシデント続きではあったが、ラメロは過去にとらわれず今を生き、未来を切り開こうとしている。「僕はまだプレーヤーとして自分の好きなことに打ち込めている。だから自分は恵まれていると思っているよ。自分の好きなことをしている時、しかも素晴らしい仲間たちと一緒なら、気分は良いものさ」