アル・ホーフォード

写真=Getty Images

アンセルフィッシュな攻守の潤滑油

セルティックスのアル・ホーフォードは、攻守を円滑に機能させる潤滑油的な存在。それ故に、必ずしもスタッツに選手としての能力が反映されるわけではないが、4月1日のキャバリアーズ戦では19得点11リバウンド10アシストを記録し、今シーズン初、キャリア2回目のトリプル・ダブルをマークした。そして、チームも110-105で勝利し、3連勝をマークした。

ホーフォードは、コンスタントに得点、リバウンド、アシストをバランス良く決められる選手で、欲を出せばトリプル・ダブルの量産も可能だ。チームを優先させる姿勢がホーフォードの長所の一つでもあるのだが、彼を一番近くで見ている存在からすれば、時にはもう少し自分を出しても良いのではとヤキモキさせられるのだろう。

キャブズ戦後、これまでもリバウンドかアシストがいくつか足りないだけで、ほぼトリプル・ダブルという試合が多かったことを聞かれたホーフォードは「(トリプル・ダブルを)達成できてうれしいよ。たしかに、今言われたように(ほぼトリプル・ダブルが)多いからね」とコメント。そして、コートサイドで観戦していた妻の反応による影響があったことを明かした。

「(試合終盤に)妻の方を見たら、『(トリプル・ダブルを)狙いに行くべき。あと1リバウンド1アシストじゃない』という感じで、僕の方をジッと見つめていたんだ。だから『分かったよ。やるよ』という感じになってね。僕は適切なプレーを心がけただけ。自分にとって良い形に転じてくれて良かったよ。それに、チームも勝てたしね」

セルティックスのファンも、ホーフォードの能力の高さを理解している。アンセルフィッシュな選手であることも十分に分かっているだろうが、彼の奥さんのように、時には自己本位になってプレーする姿を見たいと思っているのではないだろうか。

普段のホーフォードでも、もしくはキャブズ戦のようなホーフォードであっても、彼が気にすることは一つだけ。言うまでもなく、チームの勝利に他ならない。