安間志織

文=丸山素行 写真=バスケット・カウント編集部

初めての『3×3』は新鮮で「楽しい」を連発

3人制バスケットボール『3×3』の女子日本代表は、本格的な強化活動をスタートさせた。3月21日から24日に行われた強化合宿には、25名の候補選手が招集され、そのうち11名の選手が3×3初経験だった。

トヨタ自動車アンテロープスの安間志織は、その11名のうちの一人だ。3×3に対して「第一印象はめちゃくちゃキツそう」と語った安間だが、「5人制よりもスペースがあるので、小っちゃくてもよりチャンスが生かせるのかなと思いました。自分のスキルも上げられるし、ルールも覚えながらですけど、楽しくできました」と、好感触のようだ。

初めての3×3だが、安間は3人制と5人制に垣根はないと感じている。「3×3と5人制は別ではなく一緒みたいな感じと監督も言っていました。5対5にないことを3×3にプラスして、そこから5対5にも持って行けるのでプラスに考えています。別の形でバスケットができるというのは、ありがたい機会です」

5人制を主戦場としてきた安間だが、「5対5も楽しいですけど、3×3も楽しいなって感じたのは大きいですね。新鮮です」と、3×3の面白みに触れて清々しい表情を浮かべる。

3×3は5人制よりもコートは狭いが、人数が少ない分、求められる役割は多い。それでも安間が楽しいと感じられるのは、鋭いドライブでリングにアタックし、広い視野で味方にパスを供給する、5人制のプレースタイルと通じるものがあるからだ。安間も「自分に合ってるのかな」と、違和感なくプレーできている。

安間志織

ファウルの違いに困惑「ちょっと怖いですね(笑)」

プレースタイルがあまり変わらないことで、すぐに3×3に順応できた安間だが、やはり苦労する場面もある。まず第一にボールの違いだ。大きさは変わらないが5人制よりも重いため、いつもより強くボールをコントロールすることが求められるという。

「重いのでシュートが短くなってしまいますし、最後の方はシュートを打つのがしんどくなるんです(笑)。パスも強くしないと届かないです。あとは跳ねずらいので、ドリブルをつくのもちょっと違いますね」

中でも、3×3と5人制の一番の違いであるファウルの基準については、安間も戸惑いを隠せない。というのも、3×3はフィジカルコンタクトが多く、ちょっと身体に触れるくらいでは笛は鳴らない。3×3目線だと「ディフェンスとしては、これもやっていいんだ」と、プラスにとらえられるが、5人制だと「同じことをしたらファウルが鳴るので、ちょっと怖いですね」と、感覚の線引きが難しい。

それでも安間は、「オフェンスからしたら、5人制になった時に良い練習になる。つかまれても鳴らないけど、そこを決めきれるようになったら、5人制でも絶対いけると思うので」と、前向きに考えているようだ。

そんな安間は、取材中に幾度となく「楽しい」というワードを発していた。3×3を体験し、バスケットの楽しさをあらためて再確認したことで、5月のアジアカップ、6月のワールドカップに向けた代表争いも楽しむことができるに違いない。