アルペラン・シェングン&ジェイレン・グリーン

2人のさらなる成長が、ロケッツが勝ち進む絶対条件に

東西のカンファレンスファイナルにはアンソニー・エドワーズのティンバーウルブズとタイリース・ハリバートンのペイサーズが進出しました。ともに2020年にドラフトされた2人は個人としてオールスターレベルに成長しただけでなく、自分のためのチーム戦術が構築された中で結果を残すという大仕事を果たしました。これから迎える4年目のシーズンは、チームの大黒柱として活躍すべきシーズンとなります。

新たに4年目を迎える2021年のドラフト組において、個人としてもチームとしても飛躍を期待されるのが2位指名のジェイレン・グリーンと16位指名のアルペラン・シェングンのロケッツコンビです。最初の2シーズンは個人としての活躍は見せても、チームは20勝、22勝と鳴かず飛ばずでしたが、3シーズン目に41勝41敗の勝率5割へとジャンプアップを果たしたことで、プレーオフ進出が射程圏内へと入ってきました。

シェングンにとっての3シーズン目は、いずれもチームトップとなる21.1得点、9.8リバウンドに加え、チーム2位の5.0アシストを記録し、大きな成長を見せた1年でした。個人レベルでオールスターレベルのスタッツを残しただけでなく、自身がスクリーナーとなって生まれた得点が9.6もありました。スコアラーとしてだけでなく、オフェンスの起点を作ることでチームオフェンスの中心としての地位を確立しました。

NBAプレーヤーとしては身体能力に優れているわけではないため、2年目まではディフェンス力を問題にされて大事な場面でベンチに座ることも多くありましたが、3年目はセンターとしては4番目に多い1.2スティールを記録するなど、読みの良さでカバーする成長が見られました。攻守両面においてニコラ・ヨキッチと似たような特徴を出していますが、ヨキッチが初めてオールスターに選ばれたのも4年目のシーズンだっただけに、シェングンが同じ道を歩めるか注目されます。

逆にグリーンにとっての3年目のシーズンは苦しいものでした。フレッド・バンブリートが加わったことでボールを持つ機会が減り、19.6得点と3.5アシストはいずれも2年目を下回る結果に。プレー判断の悪さもあって3ポイントシュート成功率が上がらなかったことも重なり、第4クォーターにプレー機会を与えられないことが18試合もありました。

そんなグリーンですが他の若手がケガで離脱していった中でもコンディションをキープして試合に出続けると、プレー判断が改善され、オールスター以降の3ポイントシュート成功率は37%まで上げました。チームもグリーンに引っ張られ、3月には11連勝で猛烈な追い上げを見せてプレーオフ争いに加わっています。グリーンは個人として週間MVPも獲得し、自身が機能することがロケッツが勝つためのキーファクターであることを示したのです。

昨シーズンの成長を考えるとプレーオフ進出は現実的な目標とは言え、西カンファレンスは勝率5割でもプレーイン・トーナメントにすら進めない魔境です。レイカーズやウォリアーズといったベテランチームを倒してのし上がるだけでなく、ジャ・モラントが復帰するグリズリーズやビクター・ウェンバニャマのいるスパーズなどを抑え込むことも必要なだけに、グリーンとシェングンがさらなる成長を見せることが、ロケッツが勝ち進む絶対条件です。