「ニコラからパスをもらえることに感謝している」
オースティン・リバースがMCを務めるポッドキャスト番組『OFF GUARD』にナゲッツのマイケル・ポーターJr.が出演。2019年のNBAデビューからの5シーズンで、ポーターJr.は身体能力に優れた大型シューターとして成功を収め、2022-23シーズンの優勝に貢献している。
『万能の王』ニコラ・ヨキッチがジャマール・マレーとの連携で相手ディフェンスを手玉に取る時、ポーターJr.は次の瞬間に空くスペースを予想して走る。そうすれば完璧なパスが届けられ、あとは決めるだけ。ヨキッチのクリエイト能力と、ポーターJr.の運動能力と打点の高いシュートは非常に相性が良い。
だがポーターJr.は、2018年にドラフト指名を受けた時点で「ヨキッチのことは全く知らなかった」と明かす。「僕の育った地域でナゲッツはそれほど人気があるわけじゃないし、僕は大学バスケや高校バスケを見ていて、NBAの大ファンではなかった。NBAを見るにしてもステフ(ステフィン・カリー)とかKD(ケビン・デュラント)だった」
「ナゲッツに加わると、みんなニコラがいかに素晴らしい選手かを教えてくれたけど、僕はピンとこなかった。今のニコラはあの頃よりもずっと真剣に取り組んでいる。つまり……当時はそれほどでもなかった(笑)。正直、メイソン・プラムリーのほうが目立っていたぐらいだ。でもシーズンが開幕してニコラがその気になったら、みんなが言う意味が分かった。僕がNBAに来てからの5シーズン、すべて彼がMVPでもおかしくない活躍だ。もう何年も毎日見ているけど、ゲームのあらゆる局面に影響を与えられる、間違いなく世界最高の選手だよ」
ポーターJr.は治るか分からない腰のケガを抱えていたことで指名順位を14位まで落とし、デビューも1年遅れたが、2021年オフに5年1億8000万ドル(約270億円)の大型契約を手にしている。金銭的には大きな成功を収めたが、マックス契約を得たことで活躍していてもなお『その金額に見合っているか』というプレッシャーに晒されることになった。
しかしポーターJr.は臆せずプレッシャーに向き合っている。「神様は僕に乗り越えるだけの準備ができた時に試練を与えてくれるように思う。ケガは大変だったけど、乗り越えることができた。そして大きな契約を得たけど、それはプレッシャーに向き合う準備ができたからだ」
「僕の目標は日々ベストを尽くし、自分のポテンシャルを発揮すること。それはずっと同じで、マックス契約をもらったからと言ってオールスターに選ばれならなきゃいけないとは思わない。そういうプレッシャーのせいでバスケをする喜びが少し失われることはあるとしても、良い契約を得たことでモチベーションが落ちることなんて絶対にない」
6年目のシーズンを迎えるにあたって、エースとして活躍したり、チームリーダーになろうという意欲は彼にはない。それは今の役割にプライドを持っているからだ。「僕はニコラからパスをもらえることに感謝している。ナゲッツに来るまで僕はどのチームでもエースで、常にリムを見てタフショットでもねじ込んで40得点を奪うのが仕事だった。でも今はニコラと一緒にプレーし、イージーレイアップやワイドオープンを決めればいい。ケガを乗り越えて、こういう形でチームに貢献できる役割を与えられたことに心から感謝しているんだ」