クレイ・トンプソン

指揮官ジェイソン・キッド「きっと楽しめるよ」

マーベリックスの指揮官ジェイソン・キッドが、ポッドキャスト番組『Dubs Talk』に出演。この中でマブスがクレイ・トンプソンの勧誘に成功した秘訣を語っている。キッドによれば、決め手となったのはカイリー・アービングだ。

「すべて私の功績だと言いたいところだが」とキッドはジョークを飛ばし、こう続ける。「実際は組織全体の努力の賜物だ。その中でも、カイ(アービング)とクレイの対話は非常に重要だった。マブスでの2年間で彼が経験したことを詳しく説明し、クレイがここに来たらどんなことが起こり得るかを率直に伝える。それには特別な説得力がある」

2022-23シーズン途中にカイリーはマブスに加入した。レブロン・ジェームズの影響力から離れて独り立ちしたいとキャバリアーズを去った2017年から、彼はしばしばメンタル的に不安定な面を見せ、セルティックスでは『レブロンのように』振る舞おうとするも受け入れられず、周囲と孤立。ネッツではケビン・デュラントと、後に加わったジェームズ・ハーデンとの『ビッグ3』で注目を集めたが、コート上での活躍よりもコート外でのトラブルのほうが目立った。ネッツを離れたのも、居心地が悪くなった彼自身がトレードを要求したから。スター選手特有のワガママでチームを振り回す彼の評判は非常に悪かった。

しかし、マブスでのカイリーは別人となった。若きスター選手のルカ・ドンチッチをエースとして立てつつ、チームが勝つための責任と重圧は背負った。自分のメンタル面に起きた変化について彼が語ったことはない。だが、それをクレイに伝えたのだとしたら、その劇的にポジティブな変化は大きな説得力を持つことだろう。

指揮官キッドは言う。「クレイにとってウォリアーズに残留するのが一番簡単だった。だからこそ今回の移籍に際しては入念な下調べをした上で、考えに考え抜いたのだろう。マブスは若くて成長中のチームだし、このプレースタイルは彼にとって魅力的だと思う。環境面など選手への待遇も申し分ない」

「我々はどんな状況であれ臆せず3ポイントシュートを打てる選手を必要としていた。若いチームだからビッグゲームの経験、優勝の経験のあるベテランを必要としてもいる。彼はその両方に当てはまるし、きっとマブスでのプレーを楽しめるよ」

「我々は優勝を目指す旅路の途中だ。クレイの経験とリーダーシップは、この旅で非常に貴重なものになるはずだ」