ガーション・ヤブセレ

パワーフォワードの層が薄いシクサーズに最適な補強に

ガーション・ヤブセレが念願のNBA復帰を果たす。セブンティシクサーズと1年契約を結んだことが報じられた。

ヤブセレは2016年に1巡目16位でセルティックスに指名されたが、Gリーグでのプレーが主なままの2年間を過ごしただけでNBAを去った。ここ3年はスペインのレアル・マドリーで活躍。そしてパリオリンピックで、ホスト国フランスのフォワードとして平均23分のプレーで14.0得点、3.3リバウンドを記録した。

彼にとってNBAへの復帰は銀メダル獲得を上回る報酬となる。オリンピック決勝が終わってすぐ、彼は「2度目のチャンスを待っていた。準備万端だ」とSNSに投稿し、オファーを待っていた。

1年210万ドル(約3億円)のベテラン最低保証額しかシクサーズは提示できなかったが、ジョエル・エンビードとタイリース・マクシーにポール・ジョージが加入した『ビッグ3』を擁するチームで優勝を目指して戦えることは、ヤブセレにとって理想的な環境だろう。しかもシクサーズは今オフに大幅なロスター刷新を行い、戦力は充実しているがトバイアス・ハリスが去ったパワーフォワードのポジションだけはKJ・マーティンだけと手薄だった。

自分の持つ可能性を見てもらえずに不遇の2年間を過ごした前回とは違い、今回は大きな期待とともに迎え入れられる。ニック・ナースの求める戦術的なチームディフェンスをどれだけこなせるかがヤブセレにとっては大きなポイントとなりそうだが、それさえクリアできれば主力として活躍できる。シクサーズにとっても、格安の契約で獲得したヤブセレが『オリンピック級』のパフォーマンスを見せてくれれば、大きな補強となる。