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オープンな選手を見つけてパスを出す、圧巻のチームプレー

3月3日にフィリップス・アリーナで行なわれたホークス戦で、キャバリアーズがレギュラーシーズンでのNBA新記録となる25本の3ポイントシュートを成功させた。

ハーフタイムまでに14本もの3ポイントシュートを成功させたキャブズは、後半もアウトサイドからシュートを面白いように決め続け、第3クォーター残り7分6秒の時点でリードを25点(92-67)にまで拡大。第4クォーターにはホークスの猛攻を受け、残り9.4秒で3点差まで追い上げられたが、逃げ切って勝利している。

試合の締め方にはクエスチョンマークがつくものの、この日のキャブズが徹底していたのは、常にオープンな選手を探してボールを動かし続けるオフェンスだ。カイリー・アービングとレブロン・ジェームズがインサイドに切り込んで相手を崩す場面も少なくなかったが、自ら決めに行くことができる場面でも強引にアタックするのではなく、相手のマークを引き付けて外で待つチームメートがフリーになればそこにパスを出す展開を徹底した。

アービングとジェームズに相手の注意が集中せざるを得ないホークスの守備はこれで呆気なく崩壊し、カイル・コーバー、リチャード・ジェファーソン、デリック・ウィリアムズ、チャニング・フライ、イマン・シャンパートに対して厳しいプレッシャーをかけられなかった。そのため、キャブズが誇るシューターたちは比較的イージーな状態で3ポイントシュートを打ち続け、どの選手も『当たり』の状態に。

その結果が1試合での3ポイントシュート成功数でNBA新記録となる25本。内訳は以下の通りだ。

ジェームズとアービングの突破は、さらに威力を増すことに

成功数はもちろんのこと、特筆すべきは54.7%という高い成功率にある。効率良く打って、しかも成功率が高ければ、今後キャブズと対戦するチームは常にアウトサイドにも気を配る必要が出てくる。これだけの高確率を毎試合維持するのは不可能だろうが、ボールを動かしてオープンな選手を探すという意識が浸透した結果、相手からすればディフェンスの対象を絞れなくなっている。

また外の攻めをケアしなければならないとなれば、ただでさえダブルチームを仕掛けても止められないジェームズとアービングの突破がさらに効力を発揮する。

レギュラーシーズンでは取りこぼしも少なくない今シーズンのキャブズだが、彼らはすでにプレーオフを見据えている。この陣容に間もなく合流するアンドリュー・ボーガット、そして復帰間近と言われるケビン・ラブとJR・スミスが加わるのだから半端ではない。ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンを擁するウォリアーズに劣らない『スーパーチーム』に、今のキャブズは変貌しつつある。

3ポイントシュートを相手が警戒すればするほど、アービングやジェームズのリングへのアタックも威力を増す。王者キャブズにいよいよ死角は見当たらなくなってきた。