八村退場の緊急事態で周りのメンバーがステップアップ
バスケットボール男子日本代表がパリオリンピックの予選リーグ第2戦でフランス代表と対戦した。
日本の先発は河村勇輝、比江島慎、渡邊雄太、八村塁、ジョシュ・ホーキンソンの5人。八村がタフなロングレンジのプルアップを決めて先制すると、河村も高速ドライブで続き日本が先行。それでもビクター・ウェンバニャマに対し、ある程度外のシュートを捨てた守り方を選択したが、2本の3ポイントシュートを含む3本のフィールドゴールをすべて成功されすぐに逆転を許した。その後、スコアラーモードに入った河村が2本連続でプルアップスリーを沈め、渡邊も3ポイントシュートを成功させたが、ルディ・ゴベアに2本のプットバックを許し、ガーション・ヤブセレに2本連続で3ポイントシュートを決められるなど、守備を改善できずに25-32で第1クォーターを終えた。
第2クォーターに入ると、ゲームメークを担った比江島が渡邉飛勇のイージーシュートをお膳立てし、自らもドライブにセカンドチャンスポイントを挙げて違いを作り点差を縮める。その後、互いにシュートを決め合う展開が続いたが、残り3分に富樫勇樹がプルアップスリーを射抜き、30-30の同点に追いついた。さらに直後には八村がプルアップを決めて逆転に成功したが、ブロックショットから3ポイントシュートを浴びるなどその後が続かずに44-49で前半を終えた。
吉井がタフなミドルシュートを沈め、トランジションからホーキンソンも3を決め、さらに河村が強気にプルアップスリーを決め切り、開始2分で逆転した日本。吉井を筆頭にフィジカルなディフェンスも機能し、ここからリードチェンジを繰り返す接戦が続いた。日本がわずかに先を行く展開となったが、一番乗せてはいけないヤブセレへのマークが甘くなり、3ポイントシュートに速攻のアシストを許したことで64-69で最終クォーターに突入した。
八村が立て続けに3ポイントシュートを射抜き、日本の反撃ムードが漂ったが、残り8分30秒に八村がこの試合2回目のアンスポーツマン・ライク・ファウルをコールされて退場となる緊急事態に陥った。それでも、集中力を切らさない日本は八村の代わりに入った渡邉飛勇がプットバックで得点すると、河村がファウルを受けながら3ポイントシュートを決め、ボーナススローも成功させる4点プレーが飛び出す。さらに河村が高速ドライブから得点し、残り5分で78-77と逆転した。そこからシュートが決まらない時間が続いたが、ホーキンソンがウェンバニャマをブロックし、飛勇がゴベアのダンクをブロックするなど粘りのディフェンスで失点を防いだ。
2点リードで迎えた残り16秒、河村がファウルゲームで獲得したフリースローを2本とも沈め、勝利を決定付けたかに思えたが、直後に4点プレーを許し延長に持ち込まれた。延長に入ると、ウェンバニャマに3点プレーを決められ、開始1分で吉井が5ファウルで退場になると、さらにインサイドをずっと支えてきたホーキンソンが足をつってベンチに退く事態に陥った。ガス欠に陥った日本はシュートが決まらず8点のリードを許し、終盤に2点差まで迫ったが最終スコア90-94で力尽きた。
日本は河村がゲームハイの29得点を挙げ、第4クォーター序盤に退場となった八村が24得点で続いた。3ポイントシュートは目標の40%を超える43%(16/37)を記録し、フランスをあと一歩のところまで追い詰めた。