震災から8年目の3.11に荒浜地区を訪れた仙台89ERS、『被災地のクラブ』の責務

2019/03/12
Bリーグ&国内
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仙台89ERS

文=鈴木健一郎 写真=仙台89ERS

志村雄彦GM「メッセージを送り続けることが使命」

東日本大震災から8年目の3.11だった昨日、被災地の一つである仙台をホームとする仙台89ERSのヘッドコーチ、選手10名、チームとフロントのスタッフが仙台市若林区の荒浜地区を訪れた。

そこに向かう前、チーム全員で『荒浜の記憶』を鑑賞。これは震災遺構となっている仙台市立荒浜小学校の展示室で上映されているもの。仙台でプレーしていても、この地域に縁のない者もいるし、今シーズンが1年目の選手もいる。宮城の地でプレーする意味を全員が共有した上で、荒浜地区へと向かった。

荒浜は仙台市沿岸部でも特に津波の被害が大きかった地区で、災害危険区域に指定されて現在も住むことができない。荒浜小学校で震災当時の話を聞き、海岸沿いにある慰霊碑へ。何もさえぎるものがない荒浜地区は雨が降って風も寒く、嫌でも当時を思わせる雰囲気。その中でチームは震災が起きた14時46分に黙祷をし、献花を捧げた。

仙台89ERS

3.11を仙台の選手として過ごし、昨シーズン限りで現役を引退して今は仙台のGMを務める志村雄彦は、チームを代表して次のようなコメントを発表している。

「これまでとは違い、選手としてではなく迎える8年目でした。プレーすることで仙台、宮城の皆さんにメッセージを送り続けることが自分の使命と感じ、これまできましたが、選手に今までの経験を受け継いで彼らにコートで表現してもらうことが僕に託された仕事です。8年間多くの哀しみや辛い時期もありましたが、今こうしてバスケットボールを表現できる喜びを噛み締めて、皆さんの前でクラブとして前進していかないといけないと誓いました。『優勝』という明るい夢は続いています。必ず『優勝』をここに持ち帰らなくていけないと心に刻んだ一日となりました」

仙台89ERSは、震災を経験したクラブとして「助け合い、チームワークのスピリッツをバスケットボールで表現し、日本中、そして世界に発信する」ことをクラブ理念の一つとしている。東日本大震災を風化させないこと、次の世代のために前進することに貢献するための活動は、これからも続いていく。