ペリンカGM「彼はバスケットボールと教え方について独自の視点と哲学を持っている」
レイカーズの新ヘッドコーチ、JJ・レディックが現地24日に就任会見を行った。全米随一の名門デューク大でスター選手として活躍したレディックは、持ち味の3ポイントシュートと卓越した戦術眼を武器に2021年に引退するまで15シーズンにわたってNBAでプレーした。そして、現役引退後は人気解説者として活動。NBA屈指の名門として多くの注目を集めるレイカーズに相応しい知名度、メディア受けする華やかさを持った人物だ。
とはいえ、これまで指導者経験が一度もない状態でのヘッドコーチ就任に懐疑的な声も少なくない。ただ、レディック本人は、この点についてこれからもいろいろと言われる覚悟はできている。だからこそ、「私はNBAでコーチをしたことはない。皆さんが、これを聞いたことがあるのかわからないけどね」と自ら言及した。
そして「私はNBAで偉大なコーチになりたい、チャンピオンシップに勝ちたい。自分の選手たちのキャリアを最も良い形にしたい。それが私の気にすること全てだ」と意気込みを語った。
レイカーズのヘッドコーチといえば5度のNBA制覇を成し遂げたフィル・ジャクソンが2011年に退任して以降、ルーク・ウォルトンとフランク・ボーゲルの3年間が最長となっており、前任者のダービン・ハムも2年で解雇された。長期政権を任せられる指揮官を探すことができていない中、レイカーズのロブ・ペリンカGMは、従来とは違う尺度で新ヘッドコーチの選定を行ったと明かす。
「一般的な業界、そしてスポーツ界ではみんなと同じことをやるパターンに陥りがちです。だからこそ、今回の選定について私たちはいつもと違うことをできるかが重要でした。そしてJJとの会話の中で、彼がバスケットボールと教え方について独自の視点と哲学を持っていることがわかりました」
これまでコーチ業をやっていないレディックだが、1年前からコーチになるための準備を進めていたという。「昨年、トロントの面談を受けたあと、本当に自分がNBAのヘッドコーチになりたいと思っていることが分かった。それで昨年はコーチやGMたちと話し、彼らの考えを知ることに多くの時間を費やした。これが自分のやるべきことだと思ったんだ」
レイカーズはコネチカット大のダン・ハーリーヘッドコーチの招聘に動いていたが、レディックはそのことを気にしていないと強調する。「(ハーリーとレイカーズの交渉の間)私のエゴや感情が傷つけられたことは一度もなかった。ダンはコネチカット大で2度NCAAチャンピオンとなっている。それは理解している」
レディックは人気ポッドキャスト番組のホストを務めているが、「これから長い間、自分でコンテンツを作る世界から離れることを望んでいる。だからこれからポッドキャストの配信もなくなるよ」と言い、ヘッドコーチ就任のよって番組を休止する方針を示した。
大学時代からスターだった知名度抜群の人気解説者が、コーチ経験なしで名門チームの新ヘッドコーチとなる。こうした背景から、レディックにはこれから大きなプレッシャーがのしかることになる。この重圧を乗り越えたレディックがどんなチーム作りを行なっていくか非常に楽しみだ。